生活習慣病
高尿酸血症
1. 疾患の概要
高尿酸血症とは、血液中の尿酸の値が正常範囲を超えて高くなった状態を指します。一般的には 血清尿酸値が7.0mg/dL以上 の場合に高尿酸血症と診断されます。
尿酸は体内でプリン体という物質が分解される際に生成される老廃物で、通常は腎臓から尿として排泄されます。しかし、尿酸の産生が増えたり、腎臓からの排泄が低下したりすると、血液中の尿酸が増加します。
高尿酸血症は多くの場合、自覚症状がありませんが、尿酸が関節に沈着すると 痛風発作 を引き起こします。痛風は足の親指の付け根などの関節に突然激しい痛みを伴う炎症が起こる疾患です。
また、高尿酸血症は以下の疾患とも関連があることが知られています。
-
痛風
-
腎結石
-
慢性腎臓病
-
高血圧
-
メタボリックシンドローム
日本では食生活の変化や肥満の増加に伴い患者数が増加しており、特に30~60代の男性に多くみられます。
2. 主な症状
高尿酸血症そのものでは自覚症状がないことが多く、健康診断で初めて指摘されるケースが一般的です。
しかし、尿酸値が高い状態が続くと以下のような症状や疾患が起こることがあります。
痛風発作
尿酸の結晶が関節に沈着することで急性の関節炎が起こります。
主な特徴は以下の通りです。
-
足の親指の付け根の激しい痛み
-
関節の腫れ
-
赤み
-
発熱感
発作は突然起こり、数日から1週間程度続くことがあります。
腎臓への影響
尿酸の結晶が腎臓に沈着すると
-
腎結石
-
尿路結石
-
腎機能低下
を引き起こすことがあります。
また、高尿酸血症は高血圧や脂質異常症、糖尿病と合併することも多く、動脈硬化のリスクを高める可能性があります。
3. 診断に必要な検査
高尿酸血症の診断は主に血液検査で行います。
血液検査
-
尿酸値(UA)
-
腎機能(クレアチニン、eGFR)
-
血糖
-
脂質
などを確認します。
尿検査
尿酸の排泄量や腎機能を評価するために行うことがあります。
画像検査
尿路結石が疑われる場合には腹部エコーやCT検査を行うことがあります。
当院では健康診断の結果をもとに血液検査を行い、高尿酸血症の評価と合併症の確認を行っています。
4. 主な治療方法
高尿酸血症の治療は、尿酸値を適正範囲に保つことを目的に行います。
生活習慣の改善
治療の基本は生活習慣の見直しです。
食事療法
プリン体を多く含む食品の摂取を控えることが重要です。
代表的な食品には以下があります。
-
レバー
-
魚卵
-
ビールなどのアルコール飲料
また、糖分の多い飲料や果糖の過剰摂取も尿酸値を上昇させるため注意が必要です。
アルコール制限
アルコールは尿酸の産生を増加させるため、摂取量を控えることが重要です。
体重管理
肥満は尿酸値の上昇と関連しているため、適正体重の維持が推奨されます。
薬物療法
尿酸値が高い状態が続く場合や痛風発作を繰り返す場合には薬物療法を行います。
主な薬には以下があります。
-
尿酸生成抑制薬
-
尿酸排泄促進薬
治療目標として 尿酸値6mg/dL以下 を目指すことが推奨されています。
当院では生活習慣の指導とともに、必要に応じて薬物療法を行いながら尿酸値の管理を行っています。
5. 予防や生活上の注意点
高尿酸血症の予防には、日常生活の見直しが重要です。
以下の生活習慣が予防に役立ちます。
-
バランスの良い食事
-
アルコールの適量摂取
-
適度な運動
-
十分な水分摂取
-
適正体重の維持
特に水分を十分に摂取することは尿酸の排泄を促し、尿路結石の予防にもつながります。
健康診断で尿酸値の上昇を指摘された場合には、痛風発作や腎障害を予防するためにも早めに医療機関で相談することが大切です。