症状
下腹部痛
下腹部痛でお悩みの方へ
―原因・考えられる病気・必要な検査―
「下腹部が重い」「右や左の下腹部が痛む」「お腹の下の方が差し込むように痛い」といった症状は、一般的に「下腹部痛」と呼ばれます。下腹部には大腸、小腸、膀胱、尿管、女性では子宮・卵巣などがあり、さまざまな臓器の病気が関係します。
下腹部痛は、比較的よくみられる症状である一方、急性虫垂炎、憩室炎、虚血性腸炎、炎症性腸疾患、大腸がん、尿路感染症、尿路結石、婦人科疾患など、幅広い原因が含まれます。特に発熱、血便、嘔吐、排尿時痛などを伴う場合には、単なる腹痛として済ませず原因をしっかり調べることが大切です。
当院では、痛みの部位や経過、食事・排便・排尿との関係、発熱や吐き気の有無を丁寧に確認し、血液検査、腹部超音波検査、CT検査、尿検査、大腸カメラなどを組み合わせて原因を総合的に評価しています。
このような症状はありませんか
- 下腹部の持続する痛みや張り感がある
- 右または左のどちらかに強く痛みを感じる
- 便秘や下痢など便通異常を伴う
- 血便や粘液便がみられる
- 排尿時痛、頻尿、血尿を伴う
- 発熱、吐き気、嘔吐がある
- 歩行や体動で痛みが強くなる
下腹部痛の際に行う主な検査
■ 血液検査
炎症反応(CRP・白血球)、貧血、腎機能、脱水の程度などを確認します。感染症や炎症性疾患の有無、重症度の評価に重要です。
■ 腹部超音波検査
急性虫垂炎、尿路結石、膀胱の異常、婦人科疾患などの初期評価に有用です。放射線被ばくがなく、繰り返し行いやすい検査です。
■ 腹部CT検査
急性虫垂炎、憩室炎、虚血性腸炎、尿路結石、腸閉塞などを詳しく評価します。痛みの原因がはっきりしない場合や急性腹症が疑われる場合に非常に有用です。
■ 尿検査
尿路感染症や血尿の有無を確認し、膀胱炎、腎盂腎炎、尿管結石などの評価に役立ちます。下腹部痛の原因が消化器以外にあるかを見極めるためにも重要です。
■ 大腸カメラ(下部消化管内視鏡)
潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸がん、大腸ポリープなどを直接観察します。慢性的な腹痛や血便、便通異常を伴う場合に特に重要です。
■ 当院の検査の特徴
当院では、血液検査・尿検査・腹部超音波検査・CT検査を院内で迅速に行うことができ、急性の下腹部痛にも対応しています。必要に応じて、その日のうちに原因を絞り込み、治療方針を決定します。
また、大腸カメラにはAI補助診断を導入しており、さらにNBI(狭帯域光観察)・拡大観察機能を用いて、炎症やポリープ、早期大腸がんの精密評価に努めています。
下腹部痛を引き起こす主な鑑別疾患
1. 急性虫垂炎
いわゆる「盲腸」として知られる病気で、初期にはみぞおちやおへその周りの痛みとして始まり、その後右下腹部へ痛みが移動してくるのが典型的です。10〜30代に多く、発熱、吐き気、食欲低下を伴うことが多くみられます。進行すると穿孔や腹膜炎の原因となるため、早期診断が重要です。
2. 憩室炎
大腸の壁にできた憩室に炎症が起こる病気で、日本では右側にも左側にもみられます。発熱や持続する下腹部痛、便通異常を伴うことが多く、中高年以降に増えてきます。炎症が強い場合には膿瘍形成や穿孔を起こすことがあるため、CT検査による評価が重要です。
3. 虚血性腸炎
大腸の血流が一時的に低下することで起こる病気で、突然の下腹部痛と血便を伴うことが多いのが特徴です。50歳以上の女性に比較的多く、便秘や動脈硬化、脱水などが背景となることがあります。左側結腸に多いものの、症状の出方によっては下腹部全体の痛みとして感じられることもあります。
4. 過敏性腸症候群(IBS)
ストレスや自律神経の影響により、腹痛と便秘・下痢などの便通異常を繰り返す病気です。20〜40代に多く、排便後に痛みが軽くなるのが特徴です。検査で明らかな器質的異常が見つからないにもかかわらず症状が続く場合に考えられ、慢性的な下腹部痛の代表的な原因の一つです。
5. 潰瘍性大腸炎
大腸粘膜に慢性的な炎症が起こる病気で、下腹部痛、下痢、血便、便意切迫感などがみられます。10〜30代に多いものの、中高年で発症することもあります。症状が再燃と寛解を繰り返すことが特徴で、大腸カメラと病理検査が診断に重要です。
6. クローン病
小腸から大腸まで広い範囲に炎症が起こる病気で、右下腹部痛や下痢、体重減少、発熱を伴うことがあります。若年者に多く、慢性的に症状を繰り返すのが特徴です。腸管狭窄や瘻孔などの合併症を生じることもあるため、早期診断と長期的な管理が重要です。
7. 大腸がん
進行すると腹痛、便秘と下痢の繰り返し、血便、便が細くなるなどの症状を生じます。50歳以上で増加し、日本でも罹患数の多いがんの一つです。下腹部痛だけでなく、最近の便通変化や体重減少、貧血を伴う場合には、大腸カメラによる精査が必要です。
8. 大腸ポリープ
多くは無症状ですが、数や大きさによっては便通異常や出血の原因になることがあります。特に大きなポリープや複数の病変がある場合には、残便感や便通の変化として自覚されることもあります。大腸がんの前段階となる病変も含まれるため、発見時には適切な対応が重要です。
9. 膀胱炎・尿路感染症
女性に多く、下腹部の重だるい痛みや違和感、頻尿、排尿時痛を伴うのが特徴です。細菌感染が原因となることが多く、尿検査が診断に役立ちます。発熱や側腹部痛がある場合には、より上部の尿路感染症や腎盂腎炎も考慮が必要です。
10. 尿路結石
尿管に結石が詰まると、側腹部から下腹部、鼠径部にかけて非常に強い痛みが出現します。痛みは波のように強弱を繰り返すことが多く、血尿を伴うことがあります。突然の強い痛みで発症することが多く、CT検査や尿検査で評価します。
11. 婦人科疾患(卵巣嚢腫・卵巣捻転・子宮内膜症など)
女性では、卵巣や子宮の病気が下腹部痛の原因となることがあります。月経周期との関連や急激な痛みの発症は重要な手がかりです。特に卵巣捻転は緊急手術が必要になることもあるため、突然の強い片側性下腹部痛には注意が必要です。
早めの受診が勧められる症状
- 痛みが急に強くなった場合
- 発熱、寒気、嘔吐を伴う場合
- 血便や黒色便がある場合
- 尿が赤い、排尿時に強く痛む場合
- 体重減少や貧血、症状の長期化がある場合
よくある質問
Q. 下腹部痛は便秘でも起こりますか?
はい。便が腸内にたまることで下腹部の張りや痛みを感じることがあります。ただし、これまでにない強い痛みや便通変化がある場合は、他の病気が隠れている可能性もあります。
Q. 血便がある場合はすぐ受診した方がよいですか?
はい。痔による出血のこともありますが、虚血性腸炎、潰瘍性大腸炎、大腸がんなどの可能性もあります。自己判断せず、早めの受診をおすすめします。
Q. どの検査が必要かはどうやって決まりますか?
痛みの場所、経過、発熱や便通異常、排尿症状の有無などから必要な検査を判断します。急性の痛みではCTや血液検査、慢性的な症状や血便がある場合には大腸カメラが重要になることが多いです。
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