四肢・皮膚・全身
帯状疱疹
■ 疾患の概要
帯状疱疹とは、幼少期に水痘(水ぼうそう)に感染した際に神経節に潜伏したウイルス(水痘・帯状疱疹ウイルス:VZV)が、免疫力の低下により再活性化し、神経に沿って皮疹と強い痛みを引き起こす疾患です。
日本では年間約60〜80万人が発症し、50歳以上の約3人に1人が生涯で帯状疱疹を発症するとされています。特に60〜70代・免疫低下者(糖尿病・がん治療中・ステロイド使用中の方)に多く見られます。
VZVは水痘罹患後に脊髄後根神経節・三叉神経節に潜伏し、加齢・ストレス・過労・免疫低下を契機に再活性化します。
■ 主な症状
帯状疱疹の経過は主に3段階です。
・前駆期(皮疹出現前):皮疹が出る1〜5日前から、体の片側に灼熱感・ピリピリする痛み・かゆみが出現します。この段階では皮疹がないため診断が難しいです。
・急性期(皮疹期):神経の走行に沿って体の片側に帯状の水疱が出現します。強い痛み・発赤・水疱・かさぶたが2〜4週間続きます。
・慢性期(帯状疱疹後神経痛):皮疹が治癒した後も3ヶ月以上痛みが持続する帯状疱疹後神経痛(PHN)が約20〜30%に発生します。高齢者に多く、難治性です。
発症部位は体幹(肋間神経)が最も多く、顔面(三叉神経:角膜炎・眼合併症)・耳介周囲(ラムゼイ・ハント症候群:顔面神経麻痺・難聴)への発症は重篤な合併症を起こすため特に注意が必要です。
■ 診断に必要な検査
・皮膚科的診察:特徴的な片側性・帯状の水疱疹から臨床診断が可能です。
・ウイルス検査(PCR法・蛍光抗体法):水疱内容液や組織から VZV を検出します。非典型例・確定診断に用います。
・血液検査:VZV抗体価・炎症反応・免疫能(リンパ球数)の評価
・眼科・耳鼻科検査:顔面発症例では角膜病変・聴力検査を行います。
当院では診察・血液検査による評価と抗ウイルス薬の処方が可能です。
■ 主な治療方法
・抗ウイルス薬:バラシクロビル・アシクロビル・ファムシクロビルを発症から72時間以内(できるだけ早期)に開始することで、皮疹の早期治癒とPHNの予防に効果があります。
・鎮痛療法:NSAIDs・プレガバリン・デュロキセチン・三環系抗うつ薬・オピオイド(PHNの場合)
・局所療法:乾燥させる処置(被覆保護)
・神経ブロック療法:難治性のPHNに有効な場合があります。
当院では診断・抗ウイルス薬処方・鎮痛療法を行っております。重篤な合併症(眼・耳)が疑われる場合は専門医療機関へ紹介いたします。
■ 予防や生活上の注意点
・帯状疱疹ワクチン:50歳以上の方に推奨されます。不活化ワクチン(シングリックス)は2回接種で約90%の予防効果があります。
・免疫力を落とさない生活:十分な睡眠・栄養バランスのよい食事・ストレス管理
・早期受診が最重要:片側に灼熱感・ピリピリとした痛みが出現したら早めに受診する(72時間以内の治療開始が予後を改善する)
・糖尿病・免疫低下状態の適切な管理
・水疱が出ている間は水痘に免疫のない方(妊婦・免疫低下者・新生児)への接触を避ける
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