症状

冷や汗

■ 冷や汗を起こす主な鑑別疾患(全10選)

1. 急性心筋梗塞不安定狭心症

心臓への血流低下により、胸痛・冷や汗・息切れ・動悸が急性に出現します。
高血圧・糖尿病・喫煙歴のある中高年男性に多く、生命に関わる緊急疾患です。
【検査】心電図、心筋マーカー(トロポニン)、心エコー、冠動脈CT。


2. 低血糖(糖尿病治療中)

血糖値の急激な低下により、冷や汗・動悸・手のふるえ・意識障害が出現します。
インスリンや血糖降下薬使用中の糖尿病患者に多く、迅速な糖分補給が必要です。
【検査】血糖測定(即時)、HbA1c、服薬・食事歴の確認。


3. 大動脈解離

突然の激しい胸背部痛とともに冷や汗・顔面蒼白・血圧低下が出現する緊急疾患です。
高血圧のある50〜70代男性に多く、速やかな造影CTが必要です。
【検査】造影CT、心エコー(経食道)、血圧左右差の確認。


4. 肺塞栓症

肺動脈への血栓閉塞により、突然の呼吸困難・胸痛・冷や汗・頻脈が出現します。
長時間の臥床・手術後・妊娠中の方に多く、致死的な経過をたどることがあります。
【検査】Dダイマー、胸部造影CT、心エコー、動脈血ガス分析。


5. 敗血症・重症感染症

全身性の重篤な感染により、高熱・冷や汗・意識障害・血圧低下(敗血症性ショック)が出現します。
高齢者・免疫低下者に多く、速やかな抗菌薬投与と集中管理が必要です。
【検査】血液培養、血液検査(白血球・CRP・プロカルシトニン・乳酸値)。


6. 急性膵炎(重症例)

重症膵炎ではショック・多臓器不全を来し、激しい腹痛とともに冷や汗・顔面蒼白が出現します。
アルコール多飲・胆石が原因で、速やかな入院管理が必要です。
【検査】血液検査(アミラーゼ・リパーゼ・CRP)、造影CT、バイタルサインの評価。


7. 心不全(急性増悪)

心臓のポンプ機能の急激な低下により、呼吸困難・起座呼吸・冷や汗・チアノーゼが出現します。
高齢者・心疾患既往のある方に多く、速やかな利尿・強心治療が必要です。
【検査】心電図、心エコー、胸部X線、BNP、血液検査。


8. 消化管出血(大量出血)

大量の消化管出血による循環血液量の減少で、冷や汗・顔面蒼白・血圧低下が出現します。
胃潰瘍・食道静脈瘤破裂などが原因で、黒色便・吐血を伴います。
【検査】血液検査(Hb・凝固)、胃内視鏡(緊急)、バイタルサインの評価。


9. パニック障害・過換気症候群

強い不安・恐怖感に伴い、冷や汗・動悸・息苦しさ・手足のしびれが突然出現します。
20〜40代の女性に多く、器質的疾患を除外した後に診断されます。
【検査】心電図、血液検査(甲状腺・血糖)、問診・心理評価(除外診断)。


10. 甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

甲状腺ホルモンの過剰分泌により代謝が亢進し、発汗・冷や汗・動悸・手のふるえが出現します。
20〜40代の女性に多く、体重減少・眼球突出・甲状腺腫を伴います。
【検査】甲状腺ホルモン(TSH・FT3・FT4)、抗TSH受容体抗体、甲状腺超音波。


■ 補足

冷や汗は循環器・代謝・消化器・感染症・精神など多様な原因で生じます。特に胸痛・腹痛・呼吸困難・意識障害・血圧低下を伴う場合は、心筋梗塞・大動脈解離・肺塞栓症・低血糖など生命に関わる緊急疾患を最優先に除外する必要があります。