小腸・大腸・肛門
非閉塞性腸間膜虚血(NOMI)
■ 疾患の概要
非閉塞性腸間膜虚血(Non-Occlusive Mesenteric Ischemia:NOMI)とは、腸間膜動脈に明らかな閉塞がないにもかかわらず、腸管への血流が著しく低下し、腸管虚血・壊死を引き起こす疾患です。血管の器質的な閉塞ではなく、腸間膜血管の痙攣(スパズム)や血流低下が原因となります。
主な誘因として以下が挙げられます。
・重篤な全身疾患:心不全・敗血症・大手術後・ショック状態など
・薬剤の影響:昇圧剤(カテコラミン)・ジギタリス製剤などの使用
・透析患者:血液透析中の急激な血圧低下
ICU入室中の重症患者や透析患者に多く発症し、死亡率が非常に高い(50〜70%以上)とされる重篤な疾患です。
■ 主な症状
NOMIの症状は非特異的で、基礎疾患の症状に隠れてしまうことが多いため、診断が遅れやすい疾患です。
・突然または緩徐に発症する腹痛
・腹部膨満感
・悪心・嘔吐
・血便(腸管壊死が進行した場合)
・発熱・頻脈・血圧低下
重篤な基礎疾患治療中に腹痛や腹部膨満が出現した場合は本疾患を疑う必要があります。急性腸間膜動脈閉塞症と症状が酷似しますが、基礎疾患の存在と造影CTでの血管所見が鑑別の鍵となります。
■ 診断に必要な検査
・造影CT検査:腸間膜動脈の器質的閉塞がないことの確認、腸管壁の変化(浮腫・壊死)、腹水の有無を評価します。
・血管造影検査:診断と同時に治療(血管拡張薬の動注)が可能です。
・血液検査:白血球・CRP・乳酸値・D-ダイマーなどを評価します。
・腹部X線:腸管ガス像の異常を確認します。
■ 主な治療方法
・血管拡張療法:カテーテルを用いて腸間膜動脈内にパパベリンなどの血管拡張薬を持続注入します。
・全身管理の改善:原因となっている低心拍出量状態・ショックの改善、昇圧剤の減量を行います。
・外科的手術:腸管壊死が生じた場合は壊死腸管切除が必要です。
当院では本疾患が疑われる場合、速やかに高次医療機関へ紹介・搬送いたします。
■ 予防や生活上の注意点
・心不全・高血圧・糖尿病など基礎疾患の適切な管理が最重要です。
・透析中の患者さんは血圧管理に注意し、急激な血圧低下を避ける
・腹痛・腹部膨満が突然出現した場合は速やかに受診する
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