腹壁

閉鎖孔ヘルニア

■ 疾患の概要

閉鎖孔ヘルニアとは、骨盤底部にある閉鎖孔(閉鎖神経・閉鎖血管が通る孔)から腸管などが脱出するヘルニアです。腹壁ヘルニアの中では比較的まれですが、診断が遅れやすく、嵌頓による腸管壊死のリスクが高い疾患として知られています。

やせた高齢女性に圧倒的に多く見られます(女性:男性=6:1)。これは女性では骨盤が広く閉鎖孔が大きいこと、高齢・るいそうにより閉鎖孔周囲の脂肪組織が減少することが関係します。


■ 主な症状

閉鎖孔ヘルニアの特徴的な症状は以下の通りです。

腸閉塞症状:腹痛・腹部膨満・嘔吐・排ガス停止(嵌頓によることが多い)
Howship-Romberg徴候:閉鎖神経が圧迫されることで、大腿内側から膝にかけての放散痛・しびれが生じます。この症状は本疾患に比較的特異的です。
鼠径部・大腿内側の腫瘤感(触れることは少ない)

典型的な腹部所見が乏しいため診断が遅れやすく、高齢やせ型女性の腸閉塞では本疾患を必ず念頭に置く必要があります。


■ 診断に必要な検査

腹部CT検査:最も診断的価値が高い検査です。閉鎖孔から脱出した腸管や脂肪組織が確認できます。高齢やせ型女性の腸閉塞ではCT検査が必須です。
腹部X線:腸閉塞のガス像を確認しますが、確定診断には不十分です。
血液検査:炎症反応・白血球・乳酸値などを評価します。


■ 主な治療方法

閉鎖孔ヘルニアは嵌頓していることが多く、緊急手術が必要となるケースがほとんどです。

外科的手術:ヘルニアの還納・腸管壊死部の切除・閉鎖孔の閉鎖(修復)を行います。腹腔鏡手術または開腹手術が選択されます。
・腸管壊死が生じている場合は腸管切除・人工肛門造設が必要になることもあります。

当院では本疾患が疑われる場合、CT検査で迅速に評価し、速やかに外科病院へ紹介・搬送いたします。


■ 予防や生活上の注意点

るいそう(極端なやせ)の改善:適切な栄養管理により閉鎖孔周囲の組織を維持することが重要です。
・高齢やせ型の女性が突然の腹痛・嘔吐・大腿内側のしびれを自覚した場合は速やかに受診してください。
・腸閉塞として治療中に症状が改善しない場合は本疾患を念頭に置いた再評価が必要です。

 


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