腰部・腎・泌尿器

過活動膀胱

1. 疾患の概要

過活動膀胱(Overactive Bladder:OAB)とは、膀胱が過敏に反応してしまい、**急に強い尿意を感じる「尿意切迫感」**を主な症状とする排尿障害です。頻尿や夜間頻尿、場合によっては尿漏れ(切迫性尿失禁)を伴うことがあります。

過活動膀胱は特に中高年に多くみられる疾患で、日本では約800万~1000万人程度の患者がいると推定されています。加齢とともに発症率が高くなりますが、若年者にもみられることがあります。

発症の原因はさまざまで、膀胱をコントロールする神経や筋肉の働きが過敏になることが関係しています。原因としては以下のようなものが挙げられます。

  • 加齢による膀胱機能の変化

  • 前立腺肥大症(男性)

  • 脳梗塞や脊髄疾患などの神経疾患

  • 膀胱炎などの炎症

  • 骨盤底筋の機能低下

原因が明確でない場合も多くみられます。


2. 主な症状

過活動膀胱では、以下のような症状がみられます。

尿意切迫感

急に我慢できない強い尿意を感じることが特徴です。

頻尿

日中に何度もトイレに行きたくなり、排尿回数が増えます。

夜間頻尿

夜間に何度も目が覚めてトイレに行く状態です。

切迫性尿失禁

強い尿意の後に尿が漏れてしまうことがあります。

これらの症状は生活の質(QOL)を大きく低下させる原因になります。

過活動膀胱の症状は

  • 膀胱炎

  • 前立腺肥大症

  • 糖尿病

などの疾患でもみられるため、適切な診断が重要です。


3. 診断に必要な検査

過活動膀胱の診断では、症状の確認と検査を組み合わせて評価します。

問診

排尿回数や尿意切迫感、尿漏れの有無などを詳しく確認します。

尿検査

膀胱炎や血尿などの有無を確認します。

超音波検査(エコー)

膀胱の状態や残尿量を評価します。

排尿日誌

排尿回数や尿量を記録して評価することがあります。

必要に応じて泌尿器専門医でさらに詳しい検査が行われる場合もあります。


4. 主な治療方法

過活動膀胱の治療は、主に以下の方法で行われます。

生活習慣の改善

  • 水分摂取量の調整

  • カフェイン摂取の制限

  • 体重管理

などが症状改善に役立つことがあります。

膀胱訓練

排尿間隔を徐々に延ばして膀胱の容量を増やす訓練です。

骨盤底筋訓練

骨盤底筋を鍛えることで尿失禁の改善が期待できます。

薬物療法

膀胱の過剰な収縮を抑える薬剤(抗コリン薬やβ3作動薬など)が使用されます。

当院では問診や検査を行い、症状に応じた生活指導や薬物療法を行っています。必要に応じて泌尿器科専門医と連携して治療を行います。


5. 予防や生活上の注意点

過活動膀胱の予防や症状改善のためには、以下の生活習慣が重要です。

  • 適度な運動

  • 骨盤底筋トレーニング

  • カフェインやアルコールの過剰摂取を控える

  • 適正体重の維持

頻尿や尿意切迫感などの症状が続く場合には、我慢せず医療機関に相談することが大切です。適切な治療により症状の改善が期待できます。