肝臓・胆のう・膵臓
転移性肝がん
1. 疾患の概要
転移性肝がんとは、肝臓以外の臓器に発生したがんが血流やリンパの流れを通じて肝臓に転移し、肝臓内で腫瘍を形成した状態を指します。肝臓そのものから発生する「原発性肝がん(肝細胞がんなど)」とは異なり、他の臓器のがんが肝臓に広がったものです。
肝臓は体内で最大級の臓器であり、消化管からの血液が門脈を通って集まるため、がん細胞が流入しやすい特徴があります。そのため、肝臓は転移が起こりやすい臓器の一つです。
肝転移を起こしやすい原発がんとしては以下が知られています。
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大腸がん
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胃がん
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膵臓がん
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胆道がん
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乳がん
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肺がん
特に大腸がんでは肝転移が比較的多くみられます。
日本ではがん患者数の増加に伴い、転移性肝がんの患者数も増加しています。
2. 主な症状
転移性肝がんは、初期には症状がほとんど現れないことが多く、定期検査や画像検査で偶然発見される場合も少なくありません。
病状が進行すると以下のような症状がみられることがあります。
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右上腹部の痛み
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腹部の張り
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食欲低下
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体重減少
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倦怠感
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発熱
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黄疸(胆道閉塞を伴う場合)
また、肝臓が大きくなることで腹部の違和感を感じることがあります。
これらの症状は
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原発性肝がん
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胆道がん
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肝膿瘍
などでもみられるため、画像検査による正確な診断が重要になります。
3. 診断に必要な検査
転移性肝がんの診断には血液検査と画像検査が重要になります。
血液検査
肝機能の評価を行います。
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AST
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ALT
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ALP
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γ-GTP
また、原発がんに関連する腫瘍マーカーを測定することがあります。
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CEA
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CA19-9
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AFP
ただし腫瘍マーカーのみで診断することはできません。
腹部エコー(超音波検査)
肝臓に腫瘍性病変がないかを確認する基本的な検査です。
腹部CT
腫瘍の位置、大きさ、数を評価するために重要な検査です。
MRI
腫瘍の性質や広がりをより詳しく評価するために行われることがあります。
これらの検査を組み合わせて診断が行われます。また、原発がんの検索のために消化管内視鏡検査などを行うこともあります。
4. 主な治療方法
転移性肝がんの治療は、原発がんの種類、肝転移の数や大きさ、患者さんの全身状態などを総合的に判断して決定されます。
主な治療方法には以下があります。
手術(肝切除)
転移の数が限られている場合には、手術による切除が行われることがあります。特に大腸がんの肝転移では、手術によって長期生存が期待できる場合があります。
抗がん剤治療
多発転移や手術が難しい場合には抗がん剤治療が行われます。
局所治療
状況に応じて
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ラジオ波焼灼療法(RFA)
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動脈塞栓療法
などが行われることもあります。
当院では腹部エコーや腹部CTなどの検査により肝臓の評価を行い、肝腫瘍が疑われる場合には専門医療機関と連携して適切な治療につなげています。
5. 予防や生活上の注意点
転移性肝がんを直接予防することは難しいですが、原発となるがんの早期発見と適切な治療が重要です。
特に以下の点が大切です。
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大腸がん検診や内視鏡検査の受診
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健康診断の定期受診
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がん治療後の定期フォロー
大腸がんや胃がんなどの既往がある方では、肝転移の早期発見のために定期的な画像検査が重要になります。
腹部の違和感や原因不明の体重減少などの症状がある場合には、早めに医療機関へご相談ください。