その他

認知症

■ 疾患の概要

認知症とは、脳の神経細胞が障害されることで記憶・判断力・言語などの認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態です。加齢による「物忘れ」とは異なり、認知症では日常生活・社会生活に影響が出るほどの機能低下が生じます。

日本では65歳以上の約15〜17%(約600万人以上)が認知症と推計されており、85歳以上では約4割が罹患するとされています。高齢化に伴い患者数は増加しており、2025年には約700万人に達するとも予測されています。

主な認知症の種類は以下の通りです。

アルツハイマー型認知症(約60〜70%):最も多い。アミロイドβタンパクの蓄積が原因
血管性認知症(約20%):脳梗塞脳出血などによる脳血管障害が原因
レビー小体型認知症:幻視・パーキンソン症状・認知機能の変動が特徴
前頭側頭型認知症:人格変化・行動異常・言語障害が前景に立つ


■ 主な症状

認知症の症状は中核症状行動・心理症状(BPSD)に分けられます。

中核症状(認知機能の低下)
記憶障害:最近の出来事を忘れる・同じことを何度も聞く・約束を忘れる
見当識障害:日付・場所・人物がわからなくなる
実行機能障害:段取りが立てられない・計画的な行動が困難
失語・失認・失行:言葉が出ない・物の使い方がわからなくなる

行動・心理症状(BPSD)
・徘徊・不穏・暴言・妄想(物盗られ妄想など)・抑うつ・幻視・睡眠障害

加齢による物忘れとの違いは、出来事の一部ではなく出来事そのものを忘れる点・ヒントがあっても思い出せない点・日常生活に支障が出ている点です。


■ 診断に必要な検査

認知機能検査:MMSE(ミニメンタルステート検査)・MoCA・改訂長谷川式スケールなどの認知機能スクリーニングテストを行います。当院で施行可能です。
血液検査:甲状腺機能低下症・ビタミンB12欠乏・梅毒・電解質異常など治療可能な認知症様状態の除外に重要です。当院で施行可能です。
頭部CT検査:脳萎縮の部位・脳血管障害・脳腫瘍・正常圧水頭症などを評価します。当院で施行可能です。
頭部MRI検査:より詳細な脳の評価(専門医療機関と連携)
脳血流SPECT検査:アルツハイマー型・レビー小体型の鑑別に有用(専門医療機関で施行)

当院では認知機能検査・血液検査・頭部CTによる初期評価を行い、必要に応じて神経内科・精神科専門医療機関へ紹介いたします。


■ 主な治療方法

現在のところ認知症を根治する治療法はありませんが、進行を遅らせ症状を改善することが治療の目標です。

薬物療法
 ・コリンエステラーゼ阻害薬(ドネペジル・リバスチグミン・ガランタミン):アルツハイマー型・レビー小体型に使用
 ・NMDA受容体拮抗薬(メマンチン):中等度〜重度のアルツハイマー型に使用
 ・抗アミロイドβ抗体薬(レカネマブ):早期アルツハイマー型の進行抑制(2023年承認)
 ・BPSD治療薬:抗精神病薬・抗うつ薬・睡眠薬(症状に応じて使用)
非薬物療法:認知リハビリテーション・回想法・音楽療法・運動療法
生活環境の整備:安全な住環境づくり・介護サービスの活用・家族支援

当院ではかかりつけ医として認知症の早期発見・初期評価・薬物療法・生活指導・介護サービスとの連携・家族へのサポートを行っております。


■ よくある質問

Q. 物忘れが増えてきました。認知症でしょうか?

加齢による物忘れと認知症は異なります。「物忘れが心配」と自分で気づける段階は認知症の初期であることが多いです。気になる場合は早めに受診し、認知機能検査を受けることをお勧めします。

Q. 認知症は予防できますか?

運動習慣・知的活動・社会参加・良質な睡眠・生活習慣病の管理が認知症リスクを下げることが示されています。特に高血圧糖尿病高脂血症の適切な管理は重要です。

Q. 家族が認知症かもしれません。どうすればよいですか?

まずはかかりつけ医に相談してください。当院ではご家族からの相談も受け付けており、本人・ご家族の状況に合わせたサポートを行っております。


■ 予防や生活上の注意点

定期的な有酸素運動(ウォーキング・水泳など週3回以上)
高血圧糖尿病高脂血症の適切な管理
社会参加・知的活動(趣味・ボランティア・読書など)
・禁煙・節酒
・良質な睡眠の確保(睡眠時無呼吸症候群の治療も重要)
難聴の早期対処(補聴器の使用が認知症リスクを下げることが示されている)
・物忘れが気になったら早めに受診する


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