小腸・大腸・肛門

腸重積

■ 疾患の概要

腸重積(ちょうじゅうせき)とは、腸管の一部が隣接する腸管の中に入り込んでしまう(套入する)状態を指します。これにより腸管の通過障害が生じ、放置すると腸管壊死や腹膜炎に至る緊急疾患です。

小児(特に生後6ヶ月〜2歳)に最も多く見られ、小児の急性腹症の代表的な疾患のひとつです。成人での発症はまれですが、成人の場合は大腸ポリープ・大腸がん粘膜下腫瘍などが先行病変となることが多いため、原因検索が必須です。

小児の腸重積の多くは特発性(原因不明)で、腸管のリンパ組織(パイエル板)の腫大が関与すると考えられています。


■ 主な症状

小児では以下の三徴候が典型的です。

間欠的な激しい腹痛(疝痛):数分おきに繰り返す泣き叫ぶような痛みが特徴
嘔吐
イチゴゼリー状の粘血便:腸管の虚血・壊死が進行した際に見られる

発症初期は痛みの合間に普段通りに過ごしていることもあり、診断が遅れることがあります。また腸管が壊死に陥ると腹部膨満・発熱・ショック状態となります。

成人では腹痛・嘔吐・腸閉塞症状が主体ですが、症状が非典型的なことが多いため注意が必要です。


■ 診断に必要な検査

腹部超音波検査:最も有用な検査です。「ターゲットサイン(的の形)」と呼ばれる特徴的な所見が確認できます。放射線被曝がなく、小児への第一選択検査です。
腹部CT検査:成人例や超音波で確認が困難な場合に有用です。重積部位の詳細評価と原因病変の検索が可能です。
血液検査:炎症反応・白血球・貧血などを評価します。
腹部X線:腸閉塞様のガス像を確認します。


■ 主な治療方法

高圧浣腸(非観血的整復):小児の早期例では、注腸造影や超音波ガイド下に空気または生理食塩水を用いた高圧浣腸で整復が試みられます。成功率は70〜90%とされています。
外科的手術(観血的整復):高圧浣腸が失敗した場合、腸管壊死が疑われる場合、成人例(先行病変が存在するため)では手術が選択されます。
術後管理:再発防止と原因病変の追加治療を行います。

当院では本疾患が疑われる場合、速やかに高次医療機関へ紹介・搬送いたします。


■ 予防や生活上の注意点

小児の特発性腸重積には明確な予防法はありませんが、間欠的な激しい腹痛・嘔吐・血便が見られた場合は速やかに受診することが重要です。成人では大腸がんや腫瘍が原因となることがあるため、定期的な大腸カメラ検査による早期発見が予防につながります。

 


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