腰部・腎・泌尿器
腎盂腎炎
■ 疾患の概要
腎盂腎炎とは、細菌が尿道・膀胱を経て腎臓まで上行感染し、腎盂・腎実質に炎症を起こした疾患です。尿路感染症の中で膀胱炎より深刻な上部尿路感染症に分類されます。若い女性に最も多く見られますが、男性・高齢者・妊婦でも発症します。
主な原因菌は大腸菌(約80%)で、次いでクレブシエラ・プロテウス・腸球菌などが続きます。リスク因子として以下が挙げられます。
・女性(尿道が短く細菌が侵入しやすい)
・膀胱炎の既往・繰り返す尿路感染
・糖尿病・免疫低下
・尿路結石・尿路奇形・前立腺肥大による尿流障害
■ 主な症状
・高熱(38〜40℃)・悪寒戦慄
・腰背部の叩打痛(CVA叩打痛):腰の横側を叩くと響く痛み
・頻尿・排尿時痛・残尿感(膀胱炎症状)
・悪心・嘔吐・全身倦怠感
単純な膀胱炎との違いは発熱と腰背部痛の存在です。高齢者では発熱が目立たず、倦怠感・食欲低下だけで発症することもあります。治療が遅れると敗血症に進行することがあるため、早期受診が重要です。
■ 診断に必要な検査
・尿検査:白血球・細菌・亜硝酸塩の確認。中間尿での採取が重要です。
・尿培養:原因菌の同定と抗菌薬感受性の確認(治療前の採取が必須)
・血液検査:白血球・CRP・プロカルシトニン・腎機能(クレアチニン)を評価します。
・腹部超音波検査:腎臓の腫大・水腎症・膿瘍の有無を確認します。
・腹部CT検査:重症例・治療に反応しない場合の精密評価に用います。
当院では尿検査・血液検査・腹部超音波・CT検査による評価と抗菌薬の処方が可能です。
■ 主な治療方法
・抗菌薬療法:フルオロキノロン系・セフェム系を中心とした抗菌薬を7〜14日間投与します。重症例・敗血症・嘔吐で内服困難な場合は入院点滴治療が必要です。
・補液・解熱療法:十分な水分補給と解熱薬による対症療法
・基礎疾患の治療:尿路結石・前立腺肥大などの治療
当院では外来での診断・抗菌薬処方・経過観察が可能です。重症例・入院が必要な場合は速やかに入院施設のある医療機関へ紹介いたします。
■ 予防や生活上の注意点
・十分な水分摂取(尿を濃くしない)
・排便後の清拭を前から後ろに行い、肛門の細菌が尿道に入らないようにする
・排尿を我慢しない(細菌を尿とともに排出する)
・糖尿病の血糖コントロールを良好に保つ
・発熱・腰痛・排尿症状が出たら早めに受診する
■ ご予約はこちら
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