腰部・腎・泌尿器

膀胱炎・尿道炎・尿路感染

■ 疾患の概要

膀胱炎とは、細菌が尿道から膀胱に侵入して膀胱粘膜に炎症を引き起こした状態です。尿路感染症の中で最も頻度が高く、女性の約30〜40%が生涯に一度は経験するとされています。男性での発症はまれで、男性に膀胱炎が発症した場合は前立腺肥大症・前立腺炎・尿路異常の検索が必要です。

原因菌の約80%は大腸菌で、排泄物の細菌が尿道から侵入することが主な経路です。女性は尿道が短い(約3〜4cm)ため感染しやすい解剖学的特徴があります。リスク因子は以下の通りです。

性行為
排尿を我慢する習慣
便秘・不衛生な清拭習慣
糖尿病・免疫低下
閉経後の女性(エストロゲン低下による膣・尿道粘膜の萎縮)


■ 主な症状

頻尿(少量の尿意が頻繁にある)
排尿時痛・排尿終末時の灼熱感
残尿感
尿の混濁・血尿
下腹部の不快感・圧迫感

発熱がないことが膀胱炎の特徴であり、38℃以上の発熱・腰背部痛を伴う場合は腎盂腎炎への移行を疑います。症状は急激に出現することが多く、前日まで症状がなかった方でも突然発症します。単純性膀胱炎であれば適切な抗菌薬で速やかに改善しますが、再発を繰り返す場合は背景に基礎疾患がないか精査が必要です。


■ 診断に必要な検査

尿検査(試験紙法・尿沈渣):白血球・亜硝酸塩・細菌・血尿の確認。中間尿(出始めと終わりを除いた尿)で採取することが重要です。当院で施行可能です。
尿培養:原因菌の同定・抗菌薬感受性の確認(再発例・治療抵抗例で特に重要)。当院で施行可能です。
血液検査:発熱がある場合に炎症反応・腎機能を評価します。当院で施行可能です。
腹部超音波検査:膀胱壁の肥厚・残尿量・腎臓の異常を確認します。当院で施行可能です。


■ 主な治療方法

抗菌薬療法:ST合剤・フルオロキノロン系・セフェム系を3〜7日間内服します。症状が改善しても処方日数分しっかり内服することが再発予防に重要です。
水分摂取の励行:大量の水分を摂って細菌を尿と一緒に排出します。
再発性膀胱炎:1年に3回以上再発する場合は、低用量抗菌薬の予防内服・性交後内服が検討されます。

当院では診断・抗菌薬処方・経過観察が可能です。腎盂腎炎への移行が疑われる場合は入院施設のある医療機関へ紹介いたします。


■ よくある質問

Q. 膀胱炎は市販薬で治りますか?

市販の漢方薬(五淋散など)で一時的に症状が緩和することはありますが、原因菌を根絶するためには適切な抗菌薬が必要です。症状が続く場合は受診をお勧めします。

Q. 膀胱炎を繰り返すのはなぜですか?

再発性膀胱炎は女性に多く、解剖学的特徴・性行為・便秘・糖尿病・閉経後のホルモン低下などが関与します。再発を繰り返す場合は原因の精査と予防策の検討が重要です。

Q. 血尿が出ましたが大丈夫ですか?

膀胱炎による血尿は治療で改善しますが、血尿が続く場合や痛みを伴わない血尿(無症候性血尿)は膀胱がんなどの可能性もあるため、精密検査が必要です。


■ 予防や生活上の注意点

十分な水分摂取(1日1.5〜2リットル)と定期的な排尿
・排便後の清拭を前から後ろに行う
・排尿を我慢しない
・性行為後の排尿を習慣化する
・下半身を冷やさない・締め付けの強い下着を避ける
糖尿病の血糖コントロールを良好に保つ
・症状が出たら早めに受診し、自己判断で治療を中断しない


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