四肢・皮膚・全身

深部静脈血栓症

■ 疾患の概要

深部静脈血栓症(DVT:Deep Vein Thrombosis)とは、主に下肢の深部静脈(大腿静脈・膝窩静脈・腸骨静脈など)に血栓(血のかたまり)が形成され、血流が障害される疾患です。エコノミークラス症候群としても知られており、血栓が肺動脈に飛ぶと肺塞栓症を引き起こし、生命に関わることがあります。

主な危険因子は以下の通りです(Virchowの三徴)。

血流の停滞:長時間の座位(飛行機・車・デスクワーク)・長期臥床・心不全
血液凝固能の亢進:がん・妊娠・経口避妊薬・脱水・遺伝性血栓性素因
血管内皮障害:外傷・手術・感染症

日本では年間約3万人以上が発症し、高齢化・がん患者の増加とともに増加傾向にあります。手術後・長期入院中・がん治療中の方、長時間移動後の方は特に注意が必要です。


■ 主な症状

下肢の腫脹(むくみ):片側性のむくみが特徴的
下肢の疼痛・圧痛:ふくらはぎ・大腿部の痛みや重さ
皮膚の発赤・熱感
Homans徴候:足首を上に曲げるとふくらはぎに痛みが走る

約半数は無症状のまま経過し、突然の呼吸困難・胸痛・失神として肺塞栓症が発症することがあります。片側の下肢のむくみ・疼痛が出現した場合は速やかに受診することが重要です。


■ 診断に必要な検査

下肢静脈超音波検査(圧迫法):最も簡便で有用な検査です。静脈の圧迫性・血流の有無を確認し、血栓の位置・範囲を評価します。当院で施行可能です。
血液検査(Dダイマー):血栓形成の指標で陰性なら血栓症をほぼ否定できます。当院で施行可能です。
CT静脈造影検査:骨盤・腹部の深部静脈血栓の評価・肺塞栓症の同時評価に有用です。当院で施行可能です。
心電図:肺塞栓症合併時の右心負荷所見を評価します。当院で施行可能です。


■ 主な治療方法

抗凝固療法:治療の中心です。
 ・DOAC(直接経口抗凝固薬):リバーロキサバン・アピキサバンなど。現在の第一選択薬
 ・ヘパリン点滴:重症例・入院での初期治療
 ・ワルファリン:DOACが使用困難な場合(腎不全・妊婦など)
弾性ストッキング:静脈うっ滞の改善・血栓後症候群の予防
カテーテル的血栓溶解術・外科的血栓除去術:広範な血栓・重症例に適応
下大静脈フィルター:抗凝固療法が禁忌の場合・繰り返す肺塞栓症に適応

当院では超音波・Dダイマー・CT・心電図による診断と抗凝固療法の処方・管理を行っております。肺塞栓症合併・重症例は速やかに入院施設のある医療機関へ紹介いたします。


■ 予防や生活上の注意点

長時間の同一姿勢を避ける:1〜2時間ごとに立ち上がり足を動かす
十分な水分補給(脱水は血栓形成を促進する)
弾性ストッキングの着用(手術後・長時間移動時)
足首の運動(つま先の上げ下げを繰り返す)
心不全糖尿病・がんなど基礎疾患の適切な管理
抗凝固薬を自己中断しない
・片側の下肢の急な腫れ・痛み・突然の呼吸困難が出現したら速やかに受診する


■ ご予約はこちら

検査・受診のご予約は、LINE予約またはWeb予約にて承っております。お気軽にご利用ください。

LINE予約https://lin.ee/I89uEVLC
Web予約https://izumiiin.reserve.ne.jp/