症状
めまい
■ めまいを起こす主な鑑別疾患(全10選)
1. 良性発作性頭位めまい症(BPPV)
耳石が半規管内に迷入することで、頭を動かした際に短時間の回転性めまいが出現します。
中高年女性に多く、起床時や寝返り時に症状が強くなることが特徴です。
【検査】Dix-Hallpike試験、頭位眼振検査、必要に応じて頭部MRI。
2. メニエール病
内リンパ水腫により、回転性めまい・難聴・耳鳴り・耳閉感の四徴が反復して出現します。
30〜50代に多く、ストレスや睡眠不足、塩分過剰摂取が誘因となります。
【検査】聴力検査、グリセロール検査、蝸電図、頭部MRI。
3. 前庭神経炎
ウイルス感染後に前庭神経が炎症を起こし、激しい回転性めまいが数日間持続します。
全年齢に見られ、難聴・耳鳴りを伴わない点がメニエール病との違いです。
【検査】頭位眼振検査、カロリックテスト、頭部MRI(脳血管疾患の除外)。
4. 脳梗塞・一過性脳虚血発作(TIA)(小脳・脳幹)
小脳や脳幹の梗塞により、突然の回転性めまい・歩行障害・構音障害・複視が出現します。
高血圧・糖尿病のある中高年に多く、神経症状を伴う場合は緊急対応が必要です。
【検査】頭部MRI・MRA(拡散強調像)、頸動脈超音波、血液検査。
5. 高血圧・低血糖
血圧の急激な変動や血糖値の低下により、ふらつき・頭重感・冷汗・動悸が出現します。
高血圧患者や血糖降下薬使用中の糖尿病患者に多くみられます。
【検査】血圧測定、血糖測定、心電図、血液検査。
6. 起立性低血圧
立ち上がる際に血圧が急に低下し、立ちくらみ・眼前暗黒感・失神が出現します。
高齢者・脱水状態・降圧薬使用中の方に多くみられます。
【検査】臥位・立位での血圧測定(起立試験)、心電図、血液検査(脱水・貧血評価)。
7. 心不全・心房細動
心臓の収縮機能低下や不整脈により心拍出量が低下し、めまい・動悸・息切れが生じます。
高齢者や心疾患のある方に多く、浮腫・呼吸困難を伴うことがあります。
【検査】心電図、心エコー、BNP、ホルター心電図。
8. 貧血(鉄欠乏性・失血性)
赤血球・ヘモグロビンの低下により脳への酸素供給が不足し、ふらつき・立ちくらみが出現します。
月経のある女性や消化管出血のある方に多くみられます。
【検査】血液検査(Hb・Ht・血清鉄・フェリチン)、便潜血検査。
9. うつ病・パニック障害
精神的なストレスや不安・過換気により、ふらつき・頭重感・動悸・発汗が出現します。
全年齢に見られ、他の神経学的疾患を除外した後に診断されることが多いです。
【検査】問診・心理評価、頭部MRI(除外診断)、血液検査(甲状腺・貧血)。
10. 薬剤性めまい(降圧薬・抗不安薬・睡眠薬など)
多くの薬剤が内耳や中枢神経系に影響し、服薬後にめまい・ふらつきを引き起こします。
高齢者や多剤併用の方に多く、転倒リスクの観点からも注意が必要です。
【検査】服薬歴の確認、血圧測定、必要に応じて頭部MRI・聴力検査。
■ 補足
めまいは耳・脳血管・循環器・代謝・精神など多くの原因で生じます。特に突然発症の激しいめまい・神経症状(麻痺・構音障害)・激しい頭痛・意識障害を伴う場合は脳血管疾患の可能性があり、速やかな頭部MRI検査が必要です。