症状
吐き気・おう吐
吐き気・おう吐でお悩みの方へ
―原因・考えられる病気・必要な検査―
「気持ち悪い感じが続く」「吐いてしまう」「食事が取れない」といった症状は、日常的によくみられる一方で、背景にさまざまな病気が隠れていることがあります。
吐き気・おう吐は、胃や腸の病気だけでなく、胆のう・膵臓・感染症・代謝異常、さらには心疾患や脳神経疾患でも起こります。症状の程度、持続時間、腹痛や発熱の有無、食事との関係などを総合的にみて原因を評価することが重要です。
特に、水分も取れない場合、強い腹痛を伴う場合、吐いたものに血が混じる場合は早急な受診が必要です。症状が繰り返す場合や長引く場合にも、原因を確認するための検査をおすすめします。
このような症状はありませんか
- 食後に気持ち悪くなる
- 吐いてしまって食事や水分が取れない
- みぞおちやお腹の痛みを伴う
- 発熱や下痢もある
- 繰り返し吐いてしまう
- 胸の不快感や冷や汗を伴う
- 吐物に血が混じる、黒っぽいものを吐いた
吐き気・おう吐の際に行う主な検査
■ 胃カメラ(上部消化管内視鏡)
急性胃炎、急性胃粘膜病変(AGML)、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんなどを直接観察し、必要に応じて生検(病理組織検査)を行います。
■ 腹部超音波検査
胆石症、胆のう炎、膵疾患、腸管外の炎症などを評価します。腹痛や発熱を伴う吐き気の際に重要です。
■ 腹部CT検査
急性膵炎、胆石症、腸閉塞、虫垂炎、腫瘍性病変などを詳しく評価します。腹部超音波で分かりにくい病変の確認にも有用です。
■ 血液検査
炎症反応、脱水、電解質異常、肝機能、膵酵素、貧血などを確認します。全身状態の把握と重症度評価に重要です。
■ 尿検査
脱水の程度や尿路感染、糖代謝異常などを確認します。全身状態の評価にも役立ちます。
■ 便検査・便培養・便中ウイルス検査
下痢を伴う場合には、感染性胃腸炎や細菌性腸炎、ノロウイルスなどの評価を行います。
■ 心電図
吐き気やおう吐が、心筋梗塞など心疾患の症状として現れることがあるため、必要に応じて評価します。
■ 当院の検査の特徴
当院では、胃カメラ・感染症検査にAI補助診断を導入し、医師の診断を補助することで見落としの低減と診断精度の向上に努めています。
また、胃カメラではNBI(狭帯域光観察)・拡大観察機能を用い、微細な粘膜変化や早期病変の評価にも対応しています。
吐き気・おう吐を引き起こす主な鑑別疾患
1. 急性胃炎・急性胃粘膜病変(AGML)
暴飲暴食、アルコール、ストレス、鎮痛薬の使用などをきっかけに、胃粘膜に急な炎症が起こる状態です。吐き気やおう吐に加えて、みぞおちの痛みや食欲低下を伴うことが多く、出血を伴う場合には吐血や黒色便がみられることもあります。
2. 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃や十二指腸の粘膜が傷つくことで、みぞおちの痛み、吐き気、おう吐が生じることがあります。ピロリ菌感染や鎮痛薬の使用が背景にあることが多く、出血すると貧血や黒色便の原因にもなります。
3. 機能性ディスペプシア
検査で明らかな器質的異常がないにもかかわらず、吐き気、胃もたれ、早期満腹感などが続く状態です。ストレスや胃の運動機能低下、知覚過敏が関与すると考えられています。慢性的に症状が続く場合の代表的な原因の一つです。
4. 胃がん
初期には症状が目立たないこともありますが、進行すると食欲低下、吐き気、おう吐、体重減少などがみられることがあります。特に、症状が長引く場合や貧血、体重減少を伴う場合には、胃カメラによる評価が重要です。
5. 胆石症・胆のう炎
胆のうや胆管に異常があると、右上腹部痛に加えて吐き気やおう吐が出現することがあります。脂っこい食事の後に悪化しやすく、胆のう炎では発熱を伴うこともあります。胃の不調と思っていても、胆道系疾患が原因であることは少なくありません。
6. 急性膵炎・慢性膵炎
膵臓の炎症により、強い上腹部痛や背部痛とともに吐き気・おう吐が出現します。急性膵炎では重症化すると全身状態が急速に悪化することがあり、早急な診断が必要です。アルコールや胆石が背景にあることが多い疾患です。
7. 感染性胃腸炎
ウイルスや細菌による感染で、吐き気、おう吐、下痢、腹痛、発熱などを生じます。ノロウイルスなどでは急に症状が始まり、短時間に繰り返し吐くことがあります。脱水を起こしやすいため、小児や高齢者では特に注意が必要です。
8. 腸閉塞(イレウス)
腸の内容物が流れなくなることで、強い腹部膨満感、腹痛、吐き気、おう吐が出現します。便やガスが出にくくなることも特徴です。繰り返すおう吐や腹部膨満を伴う場合には、緊急性の高い疾患として鑑別が必要です。
9. 虫垂炎
初期にはみぞおちや臍周囲の不快感、吐き気として始まり、その後右下腹部痛がはっきりしてくることがあります。発熱や食欲低下を伴うことも多く、進行すると穿孔のリスクがあります。消化不良や胃腸炎と紛らわしいことがあるため注意が必要です。
10. 心筋梗塞
心筋梗塞は胸痛だけでなく、吐き気やおう吐として現れることがあります。特に高齢者や糖尿病のある方では、典型的な胸痛が目立たず、胃の不調のように感じることもあります。冷や汗、胸部不快感、息切れを伴う場合は心疾患も必ず考慮すべきです。
11. 代謝異常・脱水・電解質異常
繰り返すおう吐そのものが脱水や電解質異常を悪化させ、さらに吐き気を強めることがあります。また、高血糖や低ナトリウム血症などの代謝異常が、吐き気や全身倦怠感として現れることもあります。全身状態の把握のためにも血液検査が重要です。
早めの受診が勧められる症状
- 水分を受けつけず、脱水が疑われる場合
- 強い腹痛や腹部膨満を伴う場合
- 吐物に血が混じる、黒っぽいものを吐いた場合
- 高熱や意識がもうろうとする症状を伴う場合
- 胸部不快感・冷や汗・息切れを伴う場合
- 症状が数日以上続く、または繰り返す場合
よくある質問
Q. 吐き気だけでも受診した方がよいですか?
一時的な軽い症状で改善することもありますが、水分が取れない、腹痛を伴う、繰り返すといった場合は受診をおすすめします。症状が軽く見えても、膵炎や心筋梗塞など重篤な病気が背景にあることがあります。
Q. 胃腸炎と食中毒はどう違いますか?
どちらも吐き気・おう吐・下痢を起こしますが、原因となるウイルスや細菌、摂取した食品、症状の出方に違いがあります。当院では便検査、便培養、便中ウイルス検査などを組み合わせて評価します。
Q. 胃カメラは必要ですか?
症状が長引く場合や、胃痛、食欲低下、吐血、体重減少を伴う場合には、胃カメラによる評価が重要です。胃炎や潰瘍、胃がんなどの除外に最も有用な検査です。
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