胸部
大動脈瘤
■ 疾患の概要
大動脈瘤とは、体の中で最も太い血管である大動脈の壁が局所的に拡張し、瘤(こぶ)状に膨らんだ状態です。発生部位によって胸部大動脈瘤と腹部大動脈瘤に分けられます。大動脈の直径が正常の1.5倍以上(腹部では30mm以上)に拡大したものを指します。
主な原因は以下の通りです。
・動脈硬化(最多原因):高血圧・糖尿病・高脂血症・喫煙が関与
・遺伝的要因:マルファン症候群・ローイス・ディーツ症候群
・感染性動脈瘤:細菌・梅毒などの感染
60〜70代の男性・喫煙者・高血圧患者に多く見られます。腹部大動脈瘤の有病率は65歳以上男性の約2〜4%とされています。
■ 主な症状
大動脈瘤は多くの場合無症状で、健診の腹部超音波・CT検査で偶然発見されることがほとんどです。
・腹部拍動性腫瘤(腹部に脈打つ膨らみを触れることがある)
・腹痛・腰背部痛(瘤が拡大・切迫破裂時)
・破裂時:突然の激烈な腹痛・腰背部痛・ショック(血圧低下・意識障害)
破裂した場合の死亡率は80%以上と極めて高く、早期発見・予防的治療が命を救います。
■ 診断に必要な検査
・腹部超音波検査:最も簡便で被曝のない検査です。腹部大動脈の径を計測します。定期的な経過観察に適しています。
・腹部CT検査(造影):瘤の形態・大きさ・分枝への関与・血栓の有無を精密に評価します。治療方針の決定に必須です。
・MRI検査:CT造影が困難な場合の代替検査として用います。
・血液検査:炎症反応・凝固系・腎機能を評価します。
当院では腹部超音波・CT検査による評価が可能です。瘤が発見された場合は専門医療機関と連携して治療方針を決定します。
■ 主な治療方法
・経過観察:腹部大動脈瘤が55mm未満(女性50mm未満)は定期的な画像検査による経過観察が基本です。
・外科的手術(人工血管置換術):55mm以上(女性50mm以上)または急速に拡大する場合に施行されます。
・ステントグラフト内挿術(EVAR):カテーテルを用いた低侵襲治療で、高齢者・手術リスクの高い方にも適応できます。
・危険因子の管理:禁煙・降圧療法・脂質管理が拡大速度の抑制に有効です。
■ 予防や生活上の注意点
・禁煙(喫煙は大動脈瘤の最大の危険因子)
・高血圧・高脂血症の厳格な管理
・定期的な腹部超音波検査(65歳以上の男性・喫煙者・家族歴のある方)
・突然の激しい腹痛・腰背部痛が出現したら直ちに救急受診する
・瘤が発見されている方は重い荷物の持ち上げや激しい運動を避ける
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