腰部・腎・泌尿器
ネフローゼ症候群
■ 疾患の概要
ネフローゼ症候群とは、腎臓の糸球体(しきゅうたい)と呼ばれる血液ろ過装置の障害により、大量の蛋白が尿中に漏れ出る状態を特徴とする腎疾患の総称です。通常、体内のタンパク質は血液中に保持されていますが、糸球体の働きが障害されると尿中へ流出し、さまざまな症状が引き起こされます。
ネフローゼ症候群は、以下の4つの特徴的な所見で診断されます。
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大量の蛋白尿
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低アルブミン血症(血液中のアルブミン低下)
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むくみ(浮腫)
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脂質異常症
原因となる疾患はさまざまで、大きく一次性(原発性)ネフローゼ症候群と二次性ネフローゼ症候群に分けられます。
一次性ネフローゼ症候群には以下のような疾患があります。
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微小変化型ネフローゼ症候群
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膜性腎症
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巣状分節性糸球体硬化症
一方、二次性ネフローゼ症候群は以下の疾患に伴って起こります。
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糖尿病性腎症
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全身性エリテマトーデス(SLE)
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感染症
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悪性腫瘍
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薬剤性腎障害
成人では膜性腎症が比較的多く、小児では微小変化型ネフローゼ症候群が多くみられます。
■ 主な症状
ネフローゼ症候群の最も特徴的な症状は**むくみ(浮腫)**です。血液中のアルブミンが低下することで血管内の水分が組織へ漏れ出し、体に水分が溜まりやすくなります。
主な症状には以下のものがあります。
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まぶたや顔のむくみ
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足のむくみ
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体重増加
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腹水(お腹に水がたまる)
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胸水(胸に水がたまる)
特に朝起きたときのまぶたの腫れは初期症状としてよくみられます。
また、尿中に多量のタンパクが排出されるため、尿が泡立つ泡沫尿がみられることもあります。
さらにネフローゼ症候群では以下のような合併症のリスクが高まります。
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血栓症(血液が固まりやすくなる)
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感染症
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脂質異常症
重症例では腎機能が低下し、慢性腎臓病や腎不全へ進行する可能性もあります。
■ 診断に必要な検査
ネフローゼ症候群の診断には、尿検査や血液検査を中心とした評価を行います。
尿検査
尿検査では以下を確認します。
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蛋白尿(3.5g/日以上)
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尿沈渣(血尿の有無など)
大量の蛋白尿はネフローゼ症候群の重要な診断基準となります。
血液検査
血液検査では以下を評価します。
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アルブミン(低下)
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総蛋白
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コレステロール(上昇)
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腎機能(クレアチニン、eGFR)
画像検査
必要に応じて、腎臓の形態を評価するために
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腹部超音波検査(腹部エコー)
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CT検査
などを行います。
腎生検
原因疾患を確定するために、専門医療機関で**腎生検(腎臓組織の検査)**が行われることもあります。
■ 主な治療方法
ネフローゼ症候群の治療は、原因疾患や重症度によって異なります。
薬物療法
主に以下の薬剤が使用されます。
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副腎皮質ステロイド
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免疫抑制薬
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利尿薬(むくみの改善)
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ACE阻害薬・ARB(蛋白尿の減少)
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脂質異常症治療薬
生活管理
むくみを抑えるために、
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塩分制限
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適度な水分管理
が重要になります。
また、感染症の予防や血栓症のリスク管理も必要です。
当院では尿検査や血液検査による腎機能評価を行い、ネフローゼ症候群が疑われる場合には腎臓専門医療機関と連携し、適切な診療につなげています。
■ 予防や生活上の注意点
ネフローゼ症候群そのものを完全に予防することは難しいですが、腎臓への負担を減らす生活習慣が重要です。
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塩分の摂りすぎを控える
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適正体重を維持する
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血圧や血糖を適切に管理する
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感染症の予防(手洗いなど)
また、以下の症状がある場合には早めの受診が重要です。
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むくみが続く
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急な体重増加
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泡立つ尿
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尿量の変化
ネフローゼ症候群は早期に診断し適切な治療を行うことで、症状の改善や腎機能の保護が期待できる疾患です。
むくみや尿の異常が気になる方は、早めの受診をおすすめします。当院では尿検査や血液検査による腎機能評価を行い、必要に応じて専門医療機関と連携した診療を行っておりますので、お気軽にご相談ください。