症状
頭痛
■ 頭痛を起こす主な鑑別疾患(全10選)
1. 片頭痛(偏頭痛)
拍動性の頭痛が数時間〜3日間続き、悪心・嘔吐・光過敏・音過敏を伴います。
20〜40代の女性に多く、月経周期やストレス・睡眠不足が誘因となります。
【検査】問診・神経学的診察、頭部MRI(除外診断)。
2. 緊張型頭痛
頭全体を締め付けるような鈍痛が特徴で、肩こり・首のこりを伴うことが多いです。
全年齢に見られ、デスクワーク・ストレス・不眠が誘因となります。
【検査】問診・身体診察(筋緊張の確認)、必要に応じて頭部MRI。
3. 脳梗塞・一過性脳虚血発作(TIA)
脳血管の閉塞により、頭痛・片麻痺・言語障害・意識障害が急性に出現します。
高血圧・糖尿病・喫煙歴のある中高年に多く、症状の急性発症が特徴です。
【検査】頭部MRI・MRA(拡散強調像)、頸動脈超音波、血液検査(凝固・脂質)。
4. くも膜下出血
「今までで最悪の頭痛」と表現される突然の激しい頭痛(雷鳴頭痛)が特徴です。
脳動脈瘤の破裂により生じ、悪心・嘔吐・意識障害・項部硬直を伴います。
【検査】頭部CT(非造影)、腰椎穿刺(キサントクロミー)、脳血管造影・MRA。
5. 高血圧性頭痛・高血圧緊急症
血圧の著しい上昇により後頭部を中心とした頭痛が出現します。
中高年に多く、視力障害・胸痛・息切れを伴う場合は高血圧緊急症として緊急対応が必要です。
【検査】血圧測定、眼底検査、血液検査(腎機能)、心電図。
6. 副鼻腔炎(慢性・急性)
副鼻腔の炎症による圧迫感や前頭部・頬部の頭痛・顔面痛が生じます。
全年齢に見られ、鼻づまり・膿性鼻汁・嗅覚低下を伴います。
【検査】副鼻腔X線・CT、鼻内視鏡、細菌培養。
7. 頭蓋内腫瘍(脳腫瘍・転移性腫瘍)
頭蓋内圧亢進により、朝方に強い頭痛・嘔吐・視力障害・神経症状が出現します。
成人から高齢者に広く見られ、症状が進行性である点が特徴です。
【検査】頭部MRI(造影)、神経学的診察、原発巣検索のためのCT・PET。
8. 低血糖(糖尿病治療中)
血糖値の急激な低下により頭痛・冷汗・動悸・ふらつき・意識障害が出現します。
インスリンや血糖降下薬を使用中の糖尿病患者に多くみられます。
【検査】血糖測定(即時)、HbA1c、服薬・食事歴の確認。
9. 薬物乱用頭痛(MOH)
鎮痛薬の過剰使用により頭痛が慢性化し、月に15日以上の頭痛が3ヶ月以上続きます。
頭痛持ちの中高年女性に多く、服薬中止により改善する特徴があります。
【検査】問診(服薬歴・頭痛日誌)、頭部MRI(除外診断)。
10. うつ病・心身症
精神的ストレスや抑うつ状態により慢性的な頭痛・倦怠感・睡眠障害が生じます。
全年齢に見られ、気分の落ち込み・意欲低下・食欲不振を伴うことが多いです。
【検査】問診・心理評価、血液検査(甲状腺・貧血など除外)、頭部MRI(除外診断)。
■ 補足
頭痛の多くは片頭痛・緊張型頭痛などの一次性頭痛ですが、くも膜下出血・脳梗塞・脳腫瘍・高血圧緊急症など生命に関わる二次性頭痛の除外が最優先です。特に突然発症の激しい頭痛・神経症状・発熱・項部硬直・視力障害を伴う場合は速やかな画像検査が必要です。