症状
発熱
■ 発熱を起こす主な鑑別疾患(全10選)
1. 感染性腸炎・ノロウイルス感染症
ウイルスや細菌感染により、発熱・腹痛・下痢・嘔吐が急性に出現します。
全年齢に見られ、食事歴・旅行歴・集団感染の確認が重要です。
【検査】便培養、便ウイルス抗原検査、血液検査(炎症反応)。
2. 肺炎
肺実質の感染・炎症により、発熱・咳・膿性痰・呼吸困難が出現します。
高齢者・免疫低下者・誤嚥リスクのある方に多く、重篤化することがあります。
【検査】胸部X線・CT、血液検査(白血球・CRP・プロカルシトニン)、喀痰培養。
3. 腎盂腎炎・尿路感染症
腎臓の細菌感染により、高熱・悪寒・腰背部痛・頻尿・排尿痛が出現します。
若い女性に多く、膀胱炎から上行感染することが多くみられます。
【検査】尿検査・尿培養、血液検査(白血球・CRP)、腹部CT・超音波。
4. 急性胆嚢炎・胆管炎
胆道系の感染・閉塞により、発熱・右季肋部痛・黄疸(シャルコー三徴)が出現します。
中高年に多く、敗血症に進行するリスクがあるため迅速な治療が必要です。
【検査】腹部超音波、血液検査(肝胆道系酵素・炎症反応)、腹部CT。
5. 急性虫垂炎
発熱・右下腹部痛・食欲低下・悪心が急性に出現し、穿孔すると腹膜炎を来します。
10〜30代に多く、白血球・CRPの上昇と画像所見で診断します。
【検査】腹部超音波・CT、血液検査(白血球・CRP)、腹部触診。
6. インフルエンザ・新型コロナウイルス感染症
突然の高熱・全身倦怠感・筋肉痛・咽頭痛・咳が急性に出現します。
冬季に流行し、高齢者・基礎疾患のある方は重症化リスクが高いです。
【検査】迅速抗原検査(インフルエンザ・コロナ)、PCR検査、胸部X線。
7. 大腸憩室炎
憩室の炎症により発熱・腹痛(左下腹部が多い)・腹部膨満が出現します。
中高年に多く、重症化すると穿孔・腹膜炎に至ることがあります。
【検査】腹部CT、血液検査(白血球・CRP)、大腸内視鏡(回復期に)。
8. 潰瘍性大腸炎・クローン病(再燃期)
炎症性腸疾患の再燃時に発熱・腹痛・血性下痢・体重減少が出現します。
10〜30代に多く、重症化すると入院治療が必要となることがあります。
【検査】大腸内視鏡、血液検査(CRP・白血球・アルブミン)、便中カルプロテクチン。
9. 帯状疱疹
水痘ウイルスの再活性化により、発熱・全身倦怠感とともに体幹部の片側に皮疹・疼痛が出現します。
50歳以上や免疫低下者に多く、早期の抗ウイルス薬投与が重要です。
【検査】身体診察(皮疹・皮膚デルマトームの確認)、ウイルス検査(PCR)。
10. 糖尿病・免疫低下に伴う感染症
血糖コントロール不良や免疫低下により、通常では重症化しにくい感染症が重篤化します。
原因菌の同定と基礎疾患の管理が治療の鍵となります。
【検査】血糖・HbA1c、血液培養、尿培養、胸部X線・CT。
■ 補足
発熱は感染症・炎症性疾患・悪性腫瘍・自己免疫疾患など多くの疾患で生じます。特に高熱・意識障害・血圧低下・出血傾向・皮疹を伴う場合は敗血症や重篤な感染症の可能性があり、速やかな評価と治療が必要です。