症状

排尿時痛

■ 排尿時痛を起こす主な鑑別疾患(全10選)

1. 急性膀胱炎

細菌が膀胱に感染し、排尿時痛・頻尿・残尿感・尿の混濁が出現します。
若い女性に圧倒的に多く、性行為や排泄後の不衛生が誘因となります。
【検査】尿検査(白血球・細菌)、尿培養、必要に応じて腹部超音波。


2. 腎盂腎炎

膀胱炎から上行感染した細菌が腎臓に到達し、排尿時痛・高熱・腰背部痛が出現します。
若い女性に多く、悪寒・全身倦怠感・腎部叩打痛を伴います。
【検査】尿検査、尿培養、血液検査(白血球・CRP)、腹部CT・超音波。


3. 尿管結石(下部尿管)

結石が膀胱近くまで降りてくると、排尿時痛・頻尿・血尿・下腹部痛が現れます。
30〜50代男性に多く、突然の激しい側腹部痛から始まることが特徴です。
【検査】尿検査(潜血)、腹部CT(非造影)、腹部超音波。


4. 尿道炎(性感染症:淋菌・クラミジアなど)

性感染症による尿道の炎症で、排尿時の灼熱感・尿道分泌物・頻尿が現れます。
性活動期の若い男女に多く、無症状の場合もあるため注意が必要です。
【検査】尿検査、尿道分泌物培養、核酸増幅検査(PCR)。


5. 前立腺炎(急性・慢性)

前立腺の炎症により、排尿時痛・頻尿・残尿感・会陰部痛・発熱が出現します。
20〜50代の男性に多く、急性型は高熱を伴う重篤な状態になることがあります。
【検査】尿検査、前立腺マッサージ液培養、PSA、経直腸超音波。


6. 間質性膀胱炎

膀胱粘膜の慢性炎症により、排尿時痛・頻尿・膀胱充満時の強い痛みが続きます。
中年女性に多く、明確な細菌感染がないにもかかわらず症状が持続する点が特徴です。
【検査】尿検査(細菌陰性)、膀胱鏡、尿細胞診。


7. 膀胱がん

膀胱粘膜の腫瘍により、血尿・排尿時の違和感・頻尿が出現します。
50歳以上の男性・喫煙者に多く、painlessな血尿が特徴的です。
【検査】尿細胞診、膀胱鏡、腹部CT・超音波。


8. 帯状疱疹(仙骨部)

仙骨部の帯状疱疹ウイルス再活性化により、排尿困難・排尿時痛・陰部の疼痛が生じます。
高齢者や免疫低下者に多く、皮疹が出現する前から症状が現れることがあります。
【検査】身体診察(皮疹の確認)、尿検査(細菌感染除外)。


9. 骨盤内炎症性疾患(PID)

子宮・卵管・骨盤腹膜に感染が広がり、排尿時痛・下腹部痛・発熱・帯下増加が出現します。
性活動期の若い女性に多く、放置すると不妊の原因となります。
【検査】経腟超音波、血液検査(炎症反応)、子宮頸管分泌物培養。


10. 糖尿病に伴う尿路感染症

血糖コントロール不良により免疫機能が低下し、膀胱炎・腎盂腎炎を繰り返します。
中高年の糖尿病患者に多く、難治性・再発性の感染症となることがあります。
【検査】尿検査・尿培養、血糖・HbA1c、腎機能検査。


■ 補足

排尿時痛は膀胱・尿道・腎臓・前立腺・骨盤内臓器の疾患に由来することが多く、特に高熱・腰背部痛・血尿・尿閉を伴う場合は重篤な感染症や結石の可能性があり、速やかな検査と治療が必要です。