症状

下肢のしびれ

■ 下肢のしびれを起こす主な鑑別疾患(全10選)

1. 腰部脊柱管狭窄症

脊柱管が狭くなり神経が圧迫されることで、両下肢のしびれ・痛み・間欠性跛行が出現します。
60代以上の高齢者に多く、前傾姿勢や座位で症状が和らぐのが特徴です。
【検査】腰椎MRI、腰椎X線、神経学的診察。


2. 腰椎椎間板ヘルニア

椎間板が突出して神経を圧迫し、片側の下肢に放散するしびれと痛みが生じます。
20〜40代の男性に多く、前屈や長時間の座位で悪化します。
【検査】腰椎MRI、神経学的診察(SLRテスト)。


3. 坐骨神経痛

坐骨神経の圧迫・炎症により、臀部から下肢にかけてのしびれ・放散痛が現れます。
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症が原因となることが多いです。
【検査】腰椎MRI、神経学的診察、下肢反射・筋力評価。


4. 糖尿病性末梢神経障害

高血糖が末梢神経を傷害し、両足のしびれ・灼熱感・感覚低下が左右対称に出現します。
長期の糖尿病患者に多く、足先から始まり徐々に上行する傾向があります。
【検査】HbA1c・血糖、神経伝導検査、振動覚・痛覚検査。


5. 脳梗塞一過性脳虚血発作(TIA)

脳血管の閉塞により、片側の下肢しびれ・脱力・言語障害が急性に出現します。
高血圧・糖尿病・喫煙歴のある中高年に多く、症状の突然発症が特徴です。
【検査】頭部MRI・MRA(拡散強調像)、頸動脈超音波、血液検査(凝固・脂質)。


6. 閉塞性動脈硬化症・末梢動脈疾患

下肢の動脈が狭窄・閉塞し、歩行時のしびれ・冷感・間欠性跛行が生じます。
喫煙・糖尿病・高血圧のある中高年男性に多く、重症化すると潰瘍・壊疽に至ります。
【検査】ABI(足関節上腕血圧比)、下肢動脈超音波、CT血管造影。


7. 高脂血症に伴う末梢神経障害

脂質異常症が末梢神経や血管に影響を与え、下肢のしびれ・冷感が生じることがあります。
中高年に多く、他の生活習慣病(糖尿病・高血圧)を合併していることが多いです。
【検査】脂質検査(LDL・HDL・TG)、神経伝導検査。


8. ビタミンB12・葉酸欠乏(亜急性脊髄変性症)

ビタミンB12や葉酸の欠乏が脊髄・末梢神経を傷害し、下肢のしびれ・歩行障害が生じます。
高齢者・菜食主義者・胃切除後の方に多く、貧血を伴うことがあります。
【検査】血液検査(ビタミンB12・葉酸・MCV)、神経伝導検査、脊椎MRI。


9. パーキンソン病・多発性硬化症

中枢神経系の変性・炎症によりしびれ・振戦・歩行障害・筋強剛が出現します。
パーキンソン病は高齢者に多く、多発性硬化症は若年女性に多い傾向があります。
【検査】頭部・脊髄MRI、神経学的診察、髄液検査(多発性硬化症)。


10. 帯状疱疹後神経痛(下肢)

帯状疱疹の皮疹が治癒した後も下肢の神経痛・しびれが残存することがあります。
高齢者に多く、灼熱感・電撃様の痛みが慢性的に持続します。
【検査】身体診察、問診(帯状疱疹既往の確認)、神経伝導検査。


■ 補足

下肢のしびれは脊椎・末梢神経・脳血管・血管・代謝に由来する多様な疾患で生じます。特に突然発症・片側性・筋力低下・排尿障害を伴う場合は脳梗塞や脊髄疾患の可能性があり、速やかな画像検査が必要です。