腹壁

臍ヘルニア

■ 疾患の概要

臍ヘルニアとは、へその部分の腹壁に生じた隙間(ヘルニア門)から、腸管や腹膜内の脂肪などが飛び出した状態を指します。いわゆる「でべそ」と呼ばれるもので、乳幼児と成人で原因や対応が異なります。

乳幼児の臍ヘルニアは、生後間もなく臍輪(へその筋肉の隙間)が完全に閉じていないために生じます。生後1〜2ヶ月の乳児の約10〜20%に見られますが、多くは1〜2歳までに自然閉鎖します。

成人の臍ヘルニアは、腹壁の脆弱化に加えて腹圧上昇が加わることで発症します。肥満・妊娠・腹水(肝硬変など)・慢性咳嗽が主な誘因です。中高年の肥満女性に多くみられます。


■ 主な症状

へその部分の膨隆(出っ張り):立位や腹圧をかけると増大し、仰臥位では縮小することが多い
腹部不快感・軽度の痛み
嵌頓(かんとん)時:飛び出た腸管が戻らなくなり、激しい痛み・嘔吐・腸閉塞症状が出現します。嵌頓は緊急手術が必要な状態です。

乳幼児の場合は泣いたり・いきんだりすると膨隆が増大しますが、痛みを伴うことは少ないです。


■ 診断に必要な検査

身体診察:視診・触診でへその膨隆とヘルニア門の大きさを確認します。用手的に還納(手で押し戻す)できるか確認します。
腹部超音波検査:ヘルニア内容物(腸管・脂肪など)の確認と嵌頓の有無を評価します。
腹部CT検査:成人例や嵌頓が疑われる場合に有用です。


■ 主な治療方法

乳幼児の場合

多くは自然閉鎖するため経過観察が基本です。2歳以降もヘルニア門が閉鎖しない場合や、ヘルニア門が大きい場合は手術を検討します。綿球圧迫法(押し込みテープ固定)は現在では推奨されていません。

成人の場合

自然治癒は期待できないため、嵌頓リスクを考慮して手術療法(ヘルニア修復術)が推奨されます。腹腔鏡下手術またはメッシュを用いた開腹術が行われます。嵌頓時は緊急手術が必要です。

当院では診断・術前評価を行い、手術が必要な場合は専門医療機関と連携いたします。


■ 予防や生活上の注意点

肥満の改善:腹壁への負担を軽減するために適正体重を維持する
腹圧上昇を避ける:慢性的な便秘・咳を治療し、重いものを持ち上げる際は注意する
嵌頓のサイン(急な痛み・膨隆が戻らない)が出たら直ちに受診する

 


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