肝臓・胆のう・膵臓
脾腫
■ 疾患の概要
脾腫(ひしゅ)とは、脾臓が正常サイズ(長径10cm・重量150g程度)を超えて腫大した状態を指します。脾腫自体は疾患名ではなく、さまざまな疾患によって引き起こされる所見です。
主な原因は以下の通りです。
・肝疾患(肝硬変):門脈圧亢進症による脾臓へのうっ血(最多原因)
・感染症:伝染性単核球症(EBウイルス感染)・マラリア・敗血症など
・血液疾患:白血病・悪性リンパ腫・溶血性貧血・骨髄線維症など
・自己免疫疾患:全身性エリテマトーデス(SLE)・関節リウマチなど
・浸潤性疾患:サルコイドーシス・アミロイドーシスなど
発症年齢や性別は原因疾患によって異なりますが、肝硬変を背景とした門脈圧亢進性脾腫は中高年に多くみられます。
■ 主な症状
脾腫自体の症状は軽微なことが多いですが、以下のような症状が現れることがあります。
・左季肋部の違和感・鈍痛・圧迫感
・早期満腹感(脾臓が胃を圧迫するため)
・脾機能亢進症状:貧血(赤血球の破壊増加)・白血球減少・血小板減少による出血傾向
・脾梗塞:脾腫が高度な場合に脾臓内の血流障害が起き、急激な左季肋部痛が生じることがあります。
多くの場合は原因疾患の症状(黄疸・倦怠感・発熱など)が前景に立ちます。
■ 診断に必要な検査
・腹部超音波検査:脾腫の確認と大きさの評価に最も簡便で有用な検査です。
・腹部CT検査:脾腫の程度・形態・原因となる肝疾患・リンパ節腫大の評価に優れています。
・血液検査:肝機能(AST・ALT・ビリルビン)・血算(貧血・血小板減少)・LDH・ウイルスマーカー・自己抗体などを評価します。
・骨髄検査(必要時):血液疾患が疑われる場合に専門医療機関で施行されます。
当院では腹部超音波・CT・血液検査による評価を行い、必要に応じて専門医療機関と連携します。
■ 主な治療方法
脾腫の治療は原因疾患の治療が基本となります。
・肝硬変・門脈圧亢進:肝疾患の治療・食道静脈瘤の管理・必要に応じて脾動脈塞栓術
・血液疾患:化学療法・放射線治療・造血幹細胞移植など
・感染症:原因微生物に応じた抗菌薬・抗ウイルス薬
・脾摘出術:脾機能亢進症状が高度で薬物療法が無効な場合に検討されます。
■ 予防や生活上の注意点
・肝硬変・肝炎などの基礎疾患を適切に管理する
・アルコールの過剰摂取を避ける
・脾腫が高度な場合は接触スポーツや腹部への外傷を避ける(脾破裂のリスク)
・定期的な腹部超音波検査で大きさの変化をモニタリングする
■ ご予約はこちら
検査・受診のご予約は、LINE予約またはWeb予約にて承っております。お気軽にご利用ください。
・LINE予約:https://lin.ee/I89uEVLC
・Web予約:https://izumiiin.reserve.ne.jp/