腹壁
急性汎発性腹膜炎
■ 疾患の概要
急性汎発性腹膜炎とは、腹腔内全体に細菌感染や消化液の漏出が広がり、腹膜に急性の炎症が生じた状態です。限局性腹膜炎(炎症が一部に限局)と異なり、腹腔全体に炎症が及んでいる点が特徴です。生命に関わる外科的緊急疾患の一つです。
主な原因は以下の通りです。
・消化管穿孔:胃潰瘍・十二指腸潰瘍の穿孔(最多原因)、大腸がん・憩室炎の穿孔
・虫垂炎穿孔:急性虫垂炎が穿孔した場合
・外傷性:腹部外傷による腸管損傷
・術後縫合不全:消化管手術後の吻合部からの漏出
■ 主な症状
・激しい腹痛:突然発症の持続する強い腹痛
・腹壁の板状硬直:腹筋が緊張して板のように硬くなる(腹膜刺激徴候)
・発熱・悪寒
・悪心・嘔吐
・頻脈・血圧低下(敗血症性ショック)
・腸雑音の消失(腸管麻痺)
腹壁の板状硬直と反跳痛(Blumberg徴候)は腹膜炎の特徴的な所見です。敗血症に進行すると意識障害・多臓器不全を来します。
■ 診断に必要な検査
・腹部CT検査:穿孔部位の特定・腹腔内遊離ガス・腹水・炎症の範囲を評価します。最も重要な検査です。
・腹部X線(立位):消化管穿孔では横隔膜下に遊離ガス(free air)が確認できます。
・血液検査:白血球・CRP・プロカルシトニン・乳酸値・腎機能・凝固系を評価します。
・腹部超音波検査:腹水の確認に有用です。
■ 主な治療方法
・緊急外科手術:穿孔部の閉鎖・腹腔内洗浄・ドレナージが基本治療です。汚染の程度によっては人工肛門造設が必要となる場合があります。
・抗菌薬投与:広域抗菌薬による感染制御を行います。
・全身管理:輸液・昇圧薬・呼吸管理など集中治療が必要です。
当院では腹膜炎が疑われる場合、CT検査で迅速に評価し、速やかに外科病院へ紹介・搬送いたします。
■ 予防や生活上の注意点
・胃潰瘍・十二指腸潰瘍の早期治療とピロリ菌除菌による穿孔予防
・虫垂炎・憩室炎の症状を放置せず早期に受診する
・突然の激しい腹痛・腹壁の硬直が生じたら直ちに救急受診する
■ ご予約はこちら
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