症状

胸やけ

胸やけでお悩みの方へ

―原因・考えられる病気・必要な検査―

「胸の奥が焼けるように熱い」「食後に胸がムカムカする」「酸っぱいものが上がってくる」といった症状は、一般的に「胸やけ」と呼ばれます。

胸やけは、胃酸の逆流によって起こることが多い症状ですが、食道・胃の病気だけでなく、まれに心疾患などが関係していることもあります。 特に症状が繰り返す場合や長引く場合には、単なる胃酸過多として済ませず、原因を確認することが大切です。

また、胸やけが続く背景には、逆流性食道炎バレット食道胃がん食道がんなどの病気が隠れていることもあります。症状の頻度や強さ、飲み込みにくさや体重減少の有無などを総合的に評価することが重要です。

このような症状はありませんか

  • 胸の奥が焼けるように熱い
  • 食後に症状が強くなる
  • 横になると悪化する
  • 酸っぱい液体が上がってくる(呑酸)
  • 喉の違和感や慢性的な咳がある
  • げっぷ、胃もたれ、つかえ感を伴う

胸やけの際に行う主な検査

■ 胃カメラ(上部消化管内視鏡)
逆流性食道炎胃食道逆流症(GERD)バレット食道食道裂孔ヘルニア食道がん食道腺がん慢性胃炎胃がんなどを直接観察します。必要に応じて生検(病理組織検査)も行います。

■ 血液検査
貧血、炎症反応、肝機能などを確認します。慢性的な出血や全身状態の評価に役立ちます。

■ 腹部超音波検査
胆のうや肝臓、膵臓の異常を確認し、胸やけに似た上腹部不快感をきたす他の原因を評価します。

■ 胸部レントゲン検査
胸部症状が強い場合には、肺や縦隔、心拡大などの異常を確認します。

■ 心電図・ホルター心電図(必要に応じて)
胸やけのように感じる症状の背景に、狭心症心筋梗塞が隠れていないかを評価します。

■ 胸部・腹部CT検査(必要に応じて)
食道・胃の周囲病変、胸部異常、他臓器疾患をより詳しく調べる際に行います。

■ 当院の検査の特徴

当院では、胃カメラ・胸部レントゲンにAI補助診断を導入しており、医師の診断を補助することで見落としの低減と診断精度の向上に努めています。

また、胃カメラにはNBI(狭帯域光観察)・拡大観察機能を搭載しており、微細な粘膜変化や早期病変の評価にも対応しています。

胸やけを引き起こす主な鑑別疾患

1. 逆流性食道炎

胸やけの最も代表的な原因です。胃酸が食道へ逆流し、食道粘膜に炎症を起こすことで、胸の奥が焼けるような感覚や酸っぱい液体が上がってくる感じが出現します。食後や前かがみの姿勢、就寝時に悪化しやすいのが特徴です。

2. 胃食道逆流症(GERD)

逆流性食道炎を含む概念で、内視鏡で明らかなびらんがなくても胸やけや呑酸を繰り返す病態です。食生活、肥満、加齢、腹圧上昇などが関与し、慢性的な胸やけの原因として非常に多くみられます。夜間の咳や喉の違和感だけが前面に出ることもあります。

3. 食道裂孔ヘルニア

胃の一部が横隔膜を越えて胸側へずれることで、胃酸が逆流しやすくなる状態です。高齢者、肥満のある方、腹圧がかかりやすい方でみられやすく、胸やけやつかえ感、食後の不快感を繰り返すことがあります。逆流性食道炎の背景に合併していることも少なくありません。

4. バレット食道

長期間の胃酸逆流によって、食道の粘膜が変化した状態です。慢性的な胸やけのある方にみられ、食道腺がんのリスク因子として知られています。自覚症状は逆流症状そのものだけのことも多く、胃カメラによる確認が重要です。

5. 食道カンジダ症

免疫力が低下している方や、抗菌薬・吸入ステロイド使用後などに起こることがあります。胸やけ、飲み込み時の違和感、しみるような痛みとして感じられることがあり、内視鏡で白苔を伴う所見がみられます。通常の逆流症状と区別がつきにくい場合もあります。

6. 食道がん(扁平上皮がん)食道がん(腺がん)

初期には症状が乏しいこともありますが、進行すると胸やけ、胸のつかえ感、飲み込みにくさ、食事時の違和感として現れます。飲酒・喫煙との関連が強い扁平上皮がんと、バレット食道を背景に生じる腺がんがあり、症状が続く場合には内視鏡による評価が必要です。

7. 慢性胃炎萎縮性胃炎

胃の粘膜に慢性的な炎症があると、胃酸分泌や胃の動きが変化し、胸やけや胃もたれを引き起こすことがあります。ピロリ菌感染が背景にある場合も多く、胃の不快感や食後症状を伴うことがあります。逆流症状と胃炎症状が重なってみえるケースも少なくありません。

8. 胃がん

胃がんそのものが胸やけを主症状とすることは多くありませんが、胃の機能低下や内容物の停滞、逆流の増加により胸やけ様の症状として現れることがあります。体重減少、食欲低下、貧血、胃もたれを伴う場合には、見逃さないことが重要です。

9. 狭心症心筋梗塞

胸やけのように感じる胸部不快感の中に、心臓の虚血症状が紛れていることがあります。特に中高年の方、糖尿病や高血圧、脂質異常症のある方では、典型的な胸痛ではなく「胸やけのような圧迫感」として感じる場合があります。冷や汗、息切れ、吐き気を伴う場合は緊急性を考える必要があります。

早めの受診が勧められる症状

  • 飲み込みにくさ(嚥下困難)がある
  • 体重減少や食欲低下を伴う
  • 黒色便・吐血がある
  • 胸痛・冷や汗・息切れを伴う
  • 症状が2週間以上続く、または繰り返す

よくある質問

Q. 胸やけはよくある症状なので、しばらく様子をみてもよいですか?

一時的な症状で自然に改善することもありますが、繰り返す場合や長引く場合には逆流性食道炎や食道・胃の病気が隠れていることがあります。特に40歳以上で初めて強い症状が出た場合や、つかえ感を伴う場合には受診をおすすめします。

Q. 胃カメラは必要ですか?

胸やけの原因を正確に評価するうえで、胃カメラは最も重要な検査です。逆流性食道炎の程度だけでなく、バレット食道、食道がん、胃炎、胃がんなども確認できます。症状が長く続く場合には積極的に検討されます。

Q. 胸やけと心臓の病気はどう見分けますか?

食後や横になったときに悪化する、酸っぱい液が上がるといった症状は胃酸逆流を示唆しますが、必ずしもそれだけで判断はできません。運動時に悪化する、冷や汗や息切れを伴う場合は心疾患の可能性もあるため、必要に応じて心電図なども行います。

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