症状
便通異常
便通異常でお悩みの方へ
―便秘・下痢・便の変化の原因と必要な検査―
「便秘が続く」「下痢を繰り返す」「便の形や回数が変わった」などの症状は、まとめて「便通異常」と呼ばれます。便通異常は非常に身近な症状ですが、背景には生活習慣の乱れだけでなく、腸の炎症や腫瘍、感染症などさまざまな病気が隠れていることがあります。
特に、これまで便通が安定していた方に新たな変化が出てきた場合、血便・腹痛・体重減少を伴う場合、あるいは便秘と下痢を繰り返す場合には注意が必要です。便通異常は、便秘症や下痢症だけでなく、大腸がんや潰瘍性大腸炎などの重要な疾患のサインであることもあります。
当院では、症状の経過、便の性状、腹痛や発熱の有無、既往歴、服薬歴などを丁寧に確認したうえで、必要に応じて大腸カメラ、便検査、血液検査、CT検査などを組み合わせ、原因を総合的に評価しています。
このような症状はありませんか
- 便秘と下痢を繰り返している
- 便の回数が急に増えた、または減った
- 便が細くなった、残便感がある
- 腹痛や腹部膨満感を伴う
- 血便、粘液便、黒い便が出る
- 症状が数週間以上続いている
便通異常の際に行う主な検査
■ 大腸カメラ(下部消化管内視鏡)
大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病などの器質的疾患を直接観察します。便通異常の原因を評価するうえで最も重要な検査の一つです。
■ 便検査(便培養・便中ウイルス検査・便中カルプロテクチン)
感染性腸炎の診断、細菌やウイルスの確認、腸管炎症の程度の評価に用います。慢性的な下痢や血便がある場合にも有用です。
■ 血液検査
炎症反応、貧血、栄養状態、脱水、電解質異常などを確認します。慢性炎症や出血、全身性疾患の有無を把握するうえで重要です。
■ 腹部CT検査
憩室炎、虚血性腸炎、便秘症に伴う便塊貯留、腸閉塞や腫瘍性病変などを詳しく評価します。
■ 腹部レントゲン検査
便やガスの貯留状況を確認し、便秘の程度や腸閉塞の可能性を評価します。腹部膨満や排便停止を伴う場合に有用です。
■ 当院の検査の特徴
当院では、大腸カメラ・CT検査・便検査を組み合わせ、便通異常の原因を幅広く評価しています。急性疾患から慢性疾患まで、症状に応じた精査が院内で可能です。
また、大腸カメラにはAI補助診断を導入し、さらにNBI(狭帯域光観察)・拡大観察機能を用いることで、ポリープや早期大腸がん、炎症性病変の精密評価に努めています。
便通異常を引き起こす主な鑑別疾患
1. 過敏性腸症候群(IBS)
便通異常の中でも比較的多い原因で、便秘型、下痢型、混合型があります。腹痛や腹部不快感を伴い、排便によって症状が軽減することが多いのが特徴です。内視鏡や血液検査で明らかな異常が見つからないにもかかわらず症状が続く場合に考えられ、ストレスや腸の知覚過敏、自律神経の乱れが関与します。
2. 便秘症
排便回数の減少、便が硬い、残便感などを主体とする状態で、加齢や運動不足、水分不足、食物繊維不足などが背景にあります。慢性的な便秘は腹部膨満感や腹痛の原因となるだけでなく、便通異常全体の印象を大きく左右します。これまで便通が安定していた方に急に便秘が出てきた場合は、腫瘍などの器質的疾患の除外が重要です。
3. 下痢症
便の水分量が増えて排便回数が増える状態で、急性の感染症から慢性の腸疾患まで原因は多彩です。数日で改善する急性下痢もありますが、慢性的に続く場合や血便、体重減少を伴う場合は炎症性腸疾患や腫瘍の可能性も考える必要があります。便通異常の中でも、便秘との交互出現は重要な診断の手がかりになります。
4. 感染性腸炎
ウイルスや細菌による腸炎で、急激な下痢、腹痛、発熱、嘔吐などを伴うことが多い疾患です。比較的急性に発症することが多いですが、感染後に一時的な便通異常がしばらく残ることもあります。便培養や便中ウイルス検査が診断に役立ち、脱水を起こしやすい点にも注意が必要です。
5. 潰瘍性大腸炎
大腸粘膜に慢性的な炎症が起こる病気で、下痢、血便、腹痛、便意切迫などを繰り返します。若年〜中年層に多いですが、どの年代でも発症し得ます。症状が長く続く場合や血便を伴う場合は大腸カメラによる精査が重要で、病理組織検査を含めて診断します。
6. クローン病
消化管の広い範囲に炎症が起こり、下痢、腹痛、体重減少、発熱などを生じます。若年者に多く、慢性的な経過をとることが特徴です。腸管狭窄が進むと下痢だけでなく便通の停滞や腹部膨満が目立つこともあり、便通異常の原因として見逃せません。
7. 虚血性腸炎
腸管の血流低下によって炎症が起こる病気で、突然の腹痛、下痢、血便が特徴です。高齢者や動脈硬化のある方、便秘傾向の方に多くみられます。急性のエピソードとして発症することが多いですが、便通異常の背景に血流障害が関与している可能性を考えるうえで重要な疾患です。
8. 憩室炎
大腸の壁にできた憩室に炎症が起こる疾患で、左下腹部痛や発熱を伴うことが多いですが、便秘や下痢などの便通異常をきっかけに受診されることもあります。中高年以降に多くみられ、CT検査で診断することが多いです。炎症が強い場合には抗菌薬治療や入院が必要になることもあります。
9. 大腸がん
便通異常の原因として最も見逃してはならない病気の一つです。便秘や下痢を繰り返す、便が細くなる、血便が出る、体重が減るといった症状は要注意です。早期には症状が乏しいことも多いため、これまでと便通パターンが変わった場合には大腸カメラによる評価が重要です。
10. 大腸ポリープ
多くは無症状ですが、大きさや数によっては便通異常や出血の原因になることがあります。ポリープの一部は将来的に大腸がんへ進行する可能性があるため、発見時には大きさや形状に応じて切除や経過観察を行います。便通異常の精査で大腸カメラを行った際に偶然見つかることも少なくありません。
早めの受診が勧められる症状
- 血便や黒色便を伴う場合
- 急に便通パターンが変わった場合
- 体重減少や貧血を伴う場合
- 強い腹痛、発熱、嘔吐を伴う場合
- 症状が2週間以上続く、または繰り返す場合
よくある質問
Q. 便秘と下痢を繰り返すのはよくあることですか?
過敏性腸症候群でみられることはありますが、必ずしもそれだけとは限りません。大腸がんや炎症性腸疾患でも便通異常が不安定になることがあるため、症状が続く場合は一度ご相談ください。
Q. どのタイミングで大腸カメラが必要ですか?
40歳以降で新たな便通異常が出てきた場合、血便を伴う場合、症状が長引く場合には大腸カメラをおすすめします。大腸がんや炎症性腸疾患の除外に重要な検査です。
Q. ストレスでも便通異常は起こりますか?
はい。ストレスや自律神経の乱れは腸の動きに影響し、便秘や下痢、腹痛を起こすことがあります。ただし、まずは器質的な病気がないことを確認することが大切です。
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