げっぷ

【げっぷを起こす病気とその鑑別】

げっぷ（呑気症状）は、胃や食道に空気が溜まることで起こります。
日常的な飲み込み癖や早食いなどの生理的原因のほか、逆流性食道炎や胃潰瘍、機能性ディスペプシアなどの消化器疾患でもみられます。
まれに心疾患や膵疾患が隠れている場合もあり、症状の持続や随伴症状に注意が必要です。

中高年や肥満傾向のある方に多く、げっぷ・胸やけ・喉の違和感が主症状です。
胃酸が食道に逆流することで炎症を起こし、就寝前や食後に悪化します。
検査：上部消化管内視鏡検査、pHモニタリング、食道内圧測定。

ストレスや自律神経の乱れが関与し、胃に器質的異常がないにもかかわらず、げっぷ・胃もたれ・膨満感などが続きます。
女性や神経質な性格の方に多くみられます。
検査：胃内視鏡検査（器質疾患除外）、血液検査、ピロリ菌検査。

中高年に多く、胃粘膜の慢性的炎症により胃の膨満感・げっぷ・食欲低下を起こします。
放置すると萎縮性胃炎や胃がんのリスクが高まります。
検査：胃内視鏡、生検、ピロリ菌検査（血清抗体・尿素呼気試験）。

働き盛りの男性に多く、空腹時の上腹部痛やげっぷ、吐き気を伴います。
原因はピロリ菌感染やNSAIDs（鎮痛薬）の使用が主です。
検査：胃内視鏡検査、ピロリ菌検査、便潜血検査。

高齢者や肥満者、妊婦に多く、胃の一部が横隔膜を越えて胸腔側へ出ることで逆流を起こします。
げっぷ・胸のつかえ・胸痛・横になったときの不快感を訴えることがあります。
検査：上部消化管造影（バリウム検査）、内視鏡検査。

若年〜中年に多く、ストレスや生活リズムの乱れが誘因となります。
**げっぷ・腹部膨満・便通異常（下痢・便秘）**を繰り返します。
検査：大腸内視鏡検査（器質疾患除外）、便検査、腹部超音波。

緊張やストレスが強い方に多く、無意識のうちに空気を飲み込む癖が原因でげっぷやお腹の張りが出現します。
器質的異常がないため、生活習慣や心理的要因へのアプローチが重要です。
検査：上部消化管内視鏡（除外診断）、腹部X線（胃内ガスの確認）。

初期にはげっぷ・食後の膨満感・軽い胃痛などの非特異的症状から始まることがあります。
進行すると体重減少・貧血・食欲不振を伴います。
検査：上部消化管内視鏡検査・生検、血液検査（腫瘍マーカーCEA・CA19-9）。

中高年女性や肥満傾向の方に多く、食後にげっぷ・右上腹部痛・吐き気が出現します。
脂っこい食事後に症状が強くなるのが特徴です。
検査：腹部超音波、胆道系酵素（ALP・γ-GTP）、CT。

糖尿病の長期罹患者に多く、胃の動きが低下することでげっぷ・食後のもたれ・嘔気を伴います。
血糖コントロールの悪化が誘因となります。
検査：胃透視・胃排出シンチグラフィー、血糖・HbA1c。

げっぷは日常的な症状のひとつですが、消化管の動きや構造の異常、ストレス、感染、代謝異常など、さまざまな要因が関係します。
特に、

当院では、胃カメラ（内視鏡）・腹部エコー・血液検査を組み合わせて原因を総合的に評価しています。
「げっぷが多い」「お腹が張る」と感じる方は、ぜひ一度ご相談ください。